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暗譜・譜面を見る、どちらがボケやすいか [健康]

 常識的に考えるなら、暗譜をしてピアノの演奏を続ける人の方がボケにくい、となるだろう。ところがどうも必ずしもそうではないみたいなのだ。最近読んだ本で、著者は精神科医であり、音楽が趣味でヴァイオリンを弾き、アマオケでも演奏をしている、という経歴の持ち主。この医師の調査がおもしろい。暗譜で演奏をする人と、楽譜を見ながら演奏をする人の脳波をはかって、どちらがより前頭葉が活発に働いているかをしらべたところ、楽譜を見ながら弾いている人の方が暗譜の人より、前頭葉が活発に働いている、という結果が出た。

 また、アマオケのプレーヤーと、プロオケのプレーヤーとを同じ比較をしたところ、アマオケのプレーヤーの方が、より活発に脳が働いている、ということになった。著者の解釈では、アマオケのプレーヤーの方がより、新鮮に演奏に接しているが、プロオケのプレーヤーは職業として、単に楽譜を慣れでこなしていることが多いから前頭葉があまり働かないのだ、という。要するに、年をとったら前頭葉をよく働かせるような生活をしていればボケにくいのですよ、ということらしい。(絶対ボケない、という保証ではない)

 そうかもしれない。たとえばショパンの10の1の練習曲を3ヶ月もさらい、入学試験だか、コンクールだかで必死に弾く人の脳の中は、間違えたら大変だ、という恐怖心はあるかも知れないが、どんな面白い音楽的発見があるか、という好奇心はまず皆無といっていいだろう。だが、同じ暗譜演奏でもヴェテランともなれば、ステージで暗譜で演奏をしながらも(暗譜の不安と闘いながらも)常に新しい可能性を探っているものだ。こういう人のステージ上での脳波をはかったらまた違う結果が出るかも知れない。

 精神科医の調査も額面どおりには受け取りがたい。
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