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パソコンと音楽 [ピアノ音楽]

 いや,少しびっくりしました。ショパンの「クラコヴィアク」の弦楽6重奏版、私の編曲を姪がフィナーレを使って浄書してくれたついでに、といってCDで音にして送ってくれた。ピアノと弦楽合奏がともかく、それらしい音になっている。姪の目的は私が楽譜のミスを見つけるのに楽なように、との配慮からである。

 ブラームスのいう、「音の質に頼らないで、機械的に演奏してもよく鳴る音楽が本当にいい音楽」とはこれのことだな、と思う。もとより、ブラームスが100年あとに機械でこういうことが出来るとは想像もつかなかった時代の言葉である。このCDをきいてショパンの音楽がいかによくできているか、を証明してくれている、と思った。もとより音質はピアノは「ピアノもどき」であり、弦楽合奏は{ストリングスもどき」ではあるが、よく書かれた音楽はこれでもきちんと鳴ってくれる。聞いていてストレスにならないのだ。(結構笑えはするが)このように機械的に鳴らしてみると、我慢のならない和声進行、出来の悪い対位法、すべてがあからさまにでてしまう。

 これが鑑賞に堪えるものではないことは言を待たないが、いい音楽と悪い音楽との差がはっきり出てしまう、という意味では作曲家にとってこんなこわいものはない。編曲もまたしかり、である。
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コメント 2

大澤徹訓

>いい音楽と悪い音楽との差

昨今の連中はこれをわきまえないで、ただ単にバーチャルな音響として気軽に音に出来ると言うだけで、パソコンでデータを作っているものがおります。

アコースティックな音の良さを十分理解した上で、パソコンを扱わないとトンデモになります。

ついでと言っては何ですが、対位法的な技法は、いわゆるレジスターの扱いと同じ様に音源の処理の仕方で、聴覚的にはある程度ごまかす事が可能です。
バレたら最悪ですが(冷汗)。

私は、それほど複雑なテクスチュアを必要としない場合は、直にパソコンで楽譜データを作っていますが、必ずピアノで実際に音を弾きながら確認し、スコア全体をプリントアウトして、全体像を俯瞰して把握するよう心がけています。
by 大澤徹訓 (2008-12-10 22:01) 

klaviermusik-koba

なるほど、その通りでしょうね。バーチャルな音響としてだけなら、多少センスがある、というだけで誰でも出来ると思います。(私はそれさえも出来ませんが)
アコースティックな音響はどんな場合でも理解していないとロクなものはできません。昨今BGMなどでこのたぐいのものはいっぱい聞かされているわけです。スコア全体をプリントアウトして確認する、というのは当然のように思うのですが、それさえもしないで、いきなりCDにおろして、それでできあがり、というのでしょうか。もう私にはついていけない。
by klaviermusik-koba (2008-12-11 17:25) 

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