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3度いう、英語早教育は愚策だ! [一般向け]

 以前に2度もブログに書いたがこれで3度目だ。また文部科学省が馬鹿げたおふれを出したからである。「高校の英語の授業は原則英語だけで行う。必修のボキャブラリーもふやす。ただし難しい文法の説明はこの限りではない。」こんなもの、現在の高校の英語教師と生徒の実情からいって不可能、いうブーイング発言が現場から起こっているようだ。当然である。

 高校の英語教育の実態は私もあまり知らないけれど、これで高校生が少しでも会話力が身に付くとはとうてい思えない。そしてこれももう1度いうが、その必要もまたないのだ。ピアノと同じで、必要とする人だけが英語の特訓を受ければよろしい。英語塾へでもどこでも行けばいい。ピアノは学校では習えないからピアノの先生の門をたたく。これと同じこと。私は高校以後、全く英語教育は受けなかったのに、50歳を過ぎてからの英語だけの授業に全く抵抗感がなかったのは高校時代の基本的文法が一応身に付いていたからであることと、私は基本的におしゃべり好き、議論好きだから、文法が正しかろうが間違っていようが、ともかくしゃべる、ということが好きだからだ。でも相変わらず英語は下手だし、現在もう難しい英語をしゃべる必要もそうなくなったからせっかく習ったこともまた忘れた。誤解のないようにいうが、中高時代に英語の基本的文法は身につける必要はある。この基礎的文法と中高時代に教わるボキャブラリーだけで、だいたいのことは会話の用は足りる。後は慣れの問題で、必要とする人だけが慣れればいいのだ。

 日本人は音楽の素養がないから、と小学校から音楽の時間をいくら増やしたところでピアノを弾ける人が飛躍的に増えることはない。音楽に興味を持てない人間にいくら早教育をしても天才ピアニストは絶対出ないであろう。そもそも学校教育だけで語学がものになる、と考えている人は余程おめでたい頭の持ち主と私は考える。こんな初歩的なことがどうして文部科学省の役人には分からないのか。

 私は50才過ぎてから必要があったから英会話教室に通い、英語の再教育を受けた。このイギリス人は英語だけで日本語は一言も話さない。もちろん文法の説明も英語である。それでもこの授業に全く抵抗感がなかったのは自分が英語が話せることを当時切実に必要としたからである。人間は切実に必要としないものはいくら教えても絶対身につかない。それには、まわりが英語でしかでしか用が足りない環境がなければならない。

 そんなに文部科学省が日本人に英語をしゃべらせたいなら、いっそのこと公用語は全部英語でやる、というおふれを出す、というのはどうだろう。住民票を取りに行く、バスに乗る、電車の切符を買う、税金の申告をする、こういった日常必要なことを全部今後英語でやる。日本語はまかりならん、日本語でしゃべったヤツからは罰金をとる。

 つまり、このくらいの強行策をとらない限り、日本人が全部英語を話せるようにはならない。これがまたいかに非現実的で馬鹿げたことかは誰にも理解できよう。こういう非現実的かつ馬鹿げたことをやらされる高校生の身にもなってみろ、といいたい。でも文部科学省の役人にはわからないとみえる。韓国人や中国人に比べて相対的に日本人が英語が下手なのは、それだけ日本人が英語が出来なくても何とかなっている、という証拠でけっこうなことではないか。外国人と比較して日本人のTOEICが成績がビリから何番目だからどうたら、という議論は不毛である。「英語が必要な人は上手になる」「英語を必要としない人は上手にならない」。あったりまえじゃないか。さらに蛇足をいうなら、「英語がいくらしゃべれるようになってもしゃべる内容を持たない人には何の意味もない」。
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ake_i

明けましておめでとうございます。
この記事、全く異議なし。
同感、共感しきりです!!!

私も必要に迫られて2003年から会話学校へ行っていますが、
日本にいながら、会話学校に行ってもあまりやる気が出ない。
ところが、外人に声をかけられるとスラスラでもないですが、喋りたいことが喋れる。
外国で話さなければならないシチュエーションになると、会話学校で習ったことなど崩れて話してます。
中学の英語、これが土台になっていることを実感します。
外国へ行くと、なんとかなる。
でも、今はドイツ語、進みは悪いですが独学が楽しいです。
最近はアメリカ人にドイツ語をちょっとだけ教えてみたら、ドイツ語は発音が難しいって言われました。
アメリカ人だって、難しいと感じるドイツ語。私がスラスラ日本にいながら喋れるようになるわけがないと実感しながらも基本教科書を眺めてます。
今年もよろしくお願いいたします。
by ake_i (2009-01-13 18:47) 

klaviermusik-koba

だいたい1年全く一人で外国にいればだいたいそこの言葉には慣れます.完全ではないが人間一人生きていくくらいの能力は身に付くものです。ところが学校で何年英語をやっても全く身に付かないもは英語も教育が悪いから、としか文部省は考えないようです。
by klaviermusik-koba (2009-01-14 09:35) 

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