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小樽の交通博物館 [旅行]

オフを利用して小樽の交通博物館を訪れた。正式には小樽市総合博物館、という。ほかにもいろいろ展示物はあるが、私のお目あてはもちろん鉄道。そしてこの鉄道部門が中でも一番充実している。

 北海道で初めて鉄道が建設されたゼロ地点を中心として広大な敷地があり、夏場は車両の展示や1909年にアメリカから輸入されたテンダー蒸気機関車「アイアンホース」が動体保存されているのに乗車もできるが、冬期は休止中。100年も前の蒸気機関車が動体保存されているのは、イギリスならいざ知らず、日本ではおそらくここだけ。今年は「アイアンホース」生誕100周年にあたるから夏には盛大なイベントでもあるかも、ですよ。これの乗車の楽しみはまた夏のためにとっておこう。

 1880年に小樽–幌内間の運行を始めたのは日本では、新橋–横浜、大阪–神戸に次ぐ3番目の路線。当初は小樽–札幌間を3時間要したそうだが、それでも当時としては驚異的な早さ、と思われた。現在は快速「エアポート」が約30分で結ぶ。見所はアメリカのポーター社製の1−Cテンダー蒸気機関車(しずか号)と最初の一等ボギー客車。いかにもアメリカの西部開拓時代を思わせる、巨大なカウ・キャッチャーの割にはかわいい動輪や明かり窓のあるダブル・ルーフ。嬉しいのは機関車のキャブも客車内にも立ち入り自由であること。アメリカから輸入したほぼそのままの状態で見られるのはめずらしいであろう。当時の小樽は、築港があることと、炭鉱があったことで産業、交通の大中心都市であった。札幌などまだ寒村にすぎなかった。札幌はもう一方のターミナルですらなかったことでもそれが伺える。

もう一つの見ものは手宮駅(現在は廃駅・廃線となっている)の当時の様子をそのままジオラマ化したHOのレイアウトと車両たち。これはマニアならば必見であろう。この日は平日で雪が降っており、足場が悪いこともあって、私以外ほとんど入場者はいない。おかげでゆっくりと見物できたし、だれもいない「開拓使」号の客車のシートにひとり腰を下ろして古めかしい木造のダブルルーフ天井からぶら下がったオイルランプやストーブを眺めながらしばし、時の経つのを忘れた。
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通りすがりの東海地方民

100年以上前の蒸気機関車を動態保存している施設は小樽の博物館の他にも愛知県の博物館明治村や日本工業大学など日本に数カ所あります。
特に明治村では1874年製の本物の「陸蒸気」が、同じく明治時代に作られた客車を牽引しています。名古屋にお越しの際、お時間がありましたら足をのばしてみてください。
by 通りすがりの東海地方民 (2009-03-20 05:35) 

klaviermusik-koba

情報ありがとうございます。私の地元は名古屋ですが明治村はまだいったことがありません。灯台もと暗し、とはこのことですね。
一度いってみたいと思います。たしかあそこには京都堀川を走っていたのN電も確か保存されていたのではないでしょうか。
by klaviermusik-koba (2009-03-20 20:38) 

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