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Hofzug(1) [メルクリン]

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 メルクリンでこのモデル以外にこのような販売のされ方の例がほかにあったのかどうか分からない。まずカタログで購入希望者を募集したのである。何セットだったか忘れたが、もし購入希望者がその数に達しないときは、製造販売を取りやめる、という条件付きである。しかも、機関車、客車2両づつ(6両セット)、半年ごとに分売し、2年間で完了する、というものだった。メルクリン社としてはそれほど大変なプロジェクトだったのだろう。

 当時としては破格に高い価格であったので、私も1ヶ月くらいの間さんざん考えた。が、結局応募することにしたのだ。何としてもこのモデルの魅力に勝てなかったからである。このS10が入荷したのはたしか3回目だったかと思う。1008,のちに17 008と呼ばれるこの機関車は現在もベルリンの新交通技術博物館(アンハルター貨物駅)でみることができる。なぜなら、当時このHofzug(宮廷列車)はこのアンハルター駅から発車したから、この由緒ある場所で保存されることになったのだ。

 濃緑色のこの美しい機関車は車輪配列2−C、4シリンダーという仕様で、これは世界的に見ると当時そうめずらしくはなく、アメリカでも多く製造され、テンホイーラーという名称で呼ばれた。ドイツ統一以前、プロシャ王国のウィルヘルム2世の王室専用列車として名を馳せたこの1008の牽引する宮廷列車の編成はメルクリンの当時もてる最高のテクノロジーを集めた傑作であろう。ところが、である。6両の客車全部がそろったところで走らせてみると、カーブでスリップして走りが悪い。多分客車が予想より重くなってしまったためにちがいない。編成を小出しに作ってしまったために生じた誤算である。この理由はまたいずれ別の項目でブログにのせたい。ともあれ、いったい何だこれは、と送り返したら、数週間かかったが完全な形で修理されて(多分ウエイトのバランスを直して)もどってきた。といういわくまでついた。

このセットにはHofzugの詳細な(平面図、立面図、前面図)寸法をはじめとして、各車両の歴史的ないきさつまで実に行き届いた解説が付録としてついているのだが、実は私はこれまでほとんど読んでいない。全部を訳してのせるのはとても無理だが、興味のあるところをかいつまんで引用しながらこのシリーズで書いていきたい。

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