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Hofzug(2) [メルクリン]

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 この宮廷列車は事実上プロシャ最後の国王、ヴィルヘルム2世のための専用列車で王室所有なのである。プロシャが、当時の首相、ビスマルクによって、ドイツ帝国の統一が成る過程での、特別な役割を果たしたのがこの宮廷列車なので、ドイツの歴史、もしくは鉄道に興味のあるものはこれをさけて通れないであろう。鉄道マニア、もしくは音楽家としての目からこの歴史の転換点を見てみたいと思う。

 ウィルヘルムの時代、鉄道は、富と権力の象徴であった、という時代背景をまず頭に入れておく必要がある。鉄道に乗れる身分の人は時代と共に徐々に増えてはきたものの、まだまだ鉄道に乗れる身分であること自体「セレブ」であったのだ。

 ウィルヘルム2世の在任期間は1888年から1918年までの約30年間。ドイツ革命のため退位後もウィルヘルムはさらに長生きして、1936年に私が生まれた頃彼はまだ生存し、ウィルヘルムと私は約5年足らず同じ時代の空気を吸っていたことになる。そう考えると単に歴史上の人物という以上に何かしら親近感が湧くから不思議に思える。

 産業革命以後、蒸気機関車による鉄道網が発達し、特にウィルヘルム2世は旅行が大好きで、「旅行王」とも呼ばれたほどで、同じ時期、バイエルンのルートヴィヒ2世がお城づくりと、ワーグナーの音楽に明け暮れていたのとは対照的で面白い。そんなこんなで宮廷用客車は1901年以降、主にブレスラウ(現在ポーランド領、フロツワフと呼ばれる)の工場で合計30両くらいは造られたようである。
(続く)
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