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意見が対立したら? [ピアノ音楽]

 年末のあるコンサートに向けてフルートのRさんと練習を始めた。この人は日本音楽コンクールで優勝し、目下若手のフルーティストとして将来を嘱望されている。私と彼女とはじいさんと孫ほどの年齢差があるが、ぽんぽん私にいろいろ要求を出すのだ。日本の常識からすれば大先輩に向かってあまり自己主張するのは良くないとされているが、彼女はその逆。みていて小気味よいほどなのだ。

 なるべく私はその要求にそうよう努力し、むしろ私の方から意見を言うよううながした。でもたった一件、どうしてもお互いが譲れないところで意見が決定的に対立した。シューベルトの3連音の弾き方である。私は相手の音が3連音ならそれにあわせ、相手が4分音符ならそれに合わせる、という最近の学説に基づいた演奏法を私は主張したが、彼女はそれが気に入らないらしい。依然として意見は対立したままである。でも演奏だからどこかで折り合わないわけには行かない。

 日本で育った人ならこういう意見の対立は持ち越さないし、そもそも先輩の意見には従うものだ。しかし音楽の考えというものはどちらかが100%正しい、ということはあまりないから、この議論は意味のあることなのだ。私は避けて通らない。次の練習がどうなるか楽しみである。彼女は考えなおして反省する、とはとても思えない。

 考えてみれば私も若い頃は先輩の人たちに対して、ずいぶんここはこうして欲しい、と失礼とも思える要求をしてきたが。そう怒られた、という記憶はない。先輩はその意見には耳を傾け、それでもちがう、と思われたときは、その理由をちゃんと説明してくれたものだ。若い能力のある人はえてして生意気なものなのだ。それを頭ごなしに押さえつけるのは絶対に悪い。でも私もいうべきはいう。かくして、この年でありながら私もまだ成長の余地があるのだ。

 
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