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ヴォルフのピアノソナタ0p.1 [ピアノ音楽]

 こんなものがあるのですが、とある人から楽譜をもらった。めずらしいなあ、と思って早速ピアノでざっとあたってみた。フーゴー・ヴォルフ、とあるから当然あの歌曲の大作曲家、と思って弾いてみたのだが、どうもあまり面白くない。

 2楽章からなり、第一楽章はEs-durの序奏、本体はD-dur(!)で、最後はA-durで終わる。第2楽章はトリオつきのメヌエット。そもそもソナタとしての体裁をまったくなしていないし、若い時代のものにしても後のあの大天才からは想像もつかないくらい幼稚で支離滅裂なものだ。ベルクのソナタも作品1だが、この作品はすでに充分成熟したものであり、後のベルクの作品とは基本的な共通性が底流にある。

 大作曲家の少年時代の作品はまだ稚拙なところはあっても、のちの大作曲家の片鱗を伺わせる特別ななにかが垣間みられるのに対し、ヴォルフの場合、これだけを見たら後に大作曲家になる、とは誰も思わないであろう。天才の発達過程というのはつくづく凡人にはわからないものである。そういえばワーグナーも最初の作品はピアノソナタ(F-dur?)ではなかったか。最初はみんな一番身近な楽器であるピアノから始めるようである。ついでにいうと哲学者のニーチェもピアノ作品をものしている。彼はワーグナーと親交があったから、その影響が随所に見られる。第1級の作品、とはいいがたいが深い思索の片鱗は伺える。
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