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超閑散路線函館「本線」 [鉄道全般]

 日曜日。大学はオフなのでかねて気になっていた、函館本線小樽–長万部間の探索に出かけた。現在、函館ー札幌間の特急は100パーセント室蘭本線経由(海線とよばれる)になっていて、函館本線(山線)経由の優等列車はない。かつてのSL時代の勇壮な写真が残っていて「山線」黄金時代を偲ばせるのみである。本線、とくに倶知安ー長万部間は一日4往復のローカル列車のみ、という惨憺たる状態にある。

 3月とはいえ、北海道、とくに山沿いはまだまだ冬まっただ中。札幌を出るときは吹雪いてさえいた。私は雪景色の「山線」を見るために出かけたのだが、冬の沿線は予想以上に美しい。とくに倶知安からニセコにかけて車窓に見える羊蹄山はほかに高い山がないこともあり、小さい富士山のようなたたずまいである。たまたま私の列車がここを通過したときだけ山は晴れ渡り、雪に覆われた羊蹄山の太陽に輝く姿は筆舌に尽くしがたい。函館本線は昔に建設されたままの路線なので羊蹄山とニセコアンヌプリ(いずれも高さ1800メートル前後)というふたつの山あいをぬって走るせいでカーブは多く、スピードは出ない。でもそのおかげで車内で居ながらにして二つの山をいろいろな角度からじっくり時間をかけて鑑賞することができる。有珠山が噴火して室蘭本線が何ヶ月か不通になったことがあったがそのときはこの迂回路が大いに役立ったものである。将来、北海道新幹線は函館本線沿いに建設される予定だが、そうなるとますますこの路線の存続はあやうい。
 
 北海道の主力である、キハ40の、それもかなりくたびれたのが走っていると思いきや、そこは痩せても枯れても「函館本線」。キハ150は見るのも乗るのも初めてで、気動車独特のガラガラゴウゴウ、の騒音は非常に少なく車内設備と相まってなかなか快適。顔つきはキハ100、110を20メートル車に引き延ばしたような風貌である。2両編成。それと、外人に人気の高いニセコを通るのでスキー客、それも外人の乗客が結構多く、ローカル線としては珍しく英語のアナウンスも入り、「国際列車」的雰囲気があるのも特徴。「外人」のほうも列車の乗り方にはすっかりなれているらしく、後方乗車、前方下車、にとまどっている様子もない。長万部からは「スーパー北斗」に連絡をしていて、札幌には夕方に快適に帰り着ける。

 北海道のJR路線はほとんどどれもが風光明媚な観光路線といっていい。何かしらみどころが必ずあるのである。
(札幌)
 
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コメント 2

イトバク

中学生の頃、時々倶知安側を回って行きました(安かったんです)。
日本海も綺麗でした!
by イトバク (2010-03-11 06:05) 

klaviermusik-koba

札幌へ通ったのですね。あのころは大変だったのでしょう。今は長万部から札幌まで2時間で行きます。
ニセコはきれいですねえ、と札幌の先生にいったら、いいですよ先生、北海道に引っ越してきなさいよ、といわれましたが、もうこの年ではねえ・・。でも若い頃はそういう夢もあったのです。
by klaviermusik-koba (2010-03-11 09:03) 

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