「平城京」の価値 [旅行]
(「朱雀門」天井の格子)
かえりの新幹線のなかで考えた。このプロジェクトは将来どういう位置づけにされるのだろうか、と。TDLなどわずかな例外を除けばテーマパークは一般に不振で経営に四苦八苦しているところが多い。「シーガイア」「ハウステンボス」「スペイン村」などがあきられたのには理由があると思う。それらに共通するのは内容が「もどき」であって、哲学がないからだろう。もっとざっくばらんにいうと、ごく平均的な観客の目線で見た場合、「自分たちはこんな程度で喜ぶ教養のない人間と思われてる」「こんな程度で満足すると馬鹿にされてる」と何とはなしの不満を持たれた結果ではないのか。
もちろん、それぞれのテーマパークは莫大な金をかけてつくられているから決してチープではない。また私は「もどき」が必ずしも悪いとも思わない。が、この「平城京」を見て思ったのである。これは将来共に飽きられることもなく、日本の心のふるさととしてみんなに喜ばれ、外人観光客にも喜ばれるのではないか。それだけのオリジナリティーがあり、哲学があるのだ。それなりの教養のある高齢者の批判の目に耐えうるようなものでないと長く価値を保ち続けられない、ということがよくわかる。
鉄道が敷地の真ん中を横切るのは古代を味わうのに幻滅を感じる、という人もいるかも知れない。そういう声が多くなれば鉄道は地下化されるかも知れない。でも私の考えではこれも日本の現代のありようであって、1000年あとの人が見たらどうでもいいことかも知れないのである。
2010-04-27 15:38
nice!(1)
コメント(0)
トラックバック(0)
コメント 0