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究極のサービス [プライベート]

 日本のサービス精神は世界一、とよく言われる。日本以外いかなる外国でもまずあり得ないだろう、というサービスを私もいくつか経験している。

 (1) 近くの某スーパーから電話がかかった。きけば「奥様にお買い物いただいたのですが、一部の商品をお忘れになって帰られたようです」。確かに、妻は一部を店のどこかに置き忘れた、という。しかしどうしてもわからないのは、買い物の主がどうして私の妻で、うちの電話番号まで特定出来たのだろう。それも全部ではなく、一部を忘れたのだから、レジを調べてもわからないはず。中身はカンビールとかごくありふれたものばかり。カードではなく現金買いであるから買い主の特定のしようがないだろうと思うのだ。いずれにせよ、特定には大変な手数がかかったに違いない。

 (2) 札幌に滞在中のこと。バイキングの朝食を済ませ、ロビーで朝刊を読んでいたら、フロントの係りの人が来て、躊躇するふうもなく「この鍵、お忘れですね」と確信を持って届けてくれた。館内に放送するでもない。家の鍵から車の鍵、セキュリティーの鍵、あらゆるものが一緒になっているが名前は書いてない。朝食中にズボンのポケットから落ちたものに違いない。それにしても不特定多数が入れ替わり立ち替わりの混雑する朝食のレストランの落とし物、名前も書いてないのにどうして私のもの、と特定出来たのだろうか。定宿でいくらよく顔を知られているとはいえ。

これはあらゆるサービスのなかでも多分最高度の技量を要するものであろう。忘れっぽい私がそこの従業員だったらとても落とし主を特定出来るとは思えない。世界でも究極のサービスではあるまいか。ただ私は思うのである。素晴らしいサービス、と感激する一方、これだけ落とし主を特定出来る技術は逆に悪用も出来る。いつもどこかで自分は誰かに監視されている、という恐怖もないではない。

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