SSブログ

ショパンのコンチェルト弦楽4重奏版(3) [日本ショパン協会]

 日本ショパン協会名古屋支部で室内楽版のコンチェルトの演奏会をすることになり、私は本番は聴けないのでそのリハーサルに出かけた。弦楽四重奏でコンチェルトを弾ける、という手軽さもあって、かなりこの演奏会は増える傾向にあるが、私はある種の危惧の念を持っている。

 演奏上いくつか問題点がある。まずコミネックの編曲自体の問題。それと演奏者の理解の問題。この編曲をピアニストも弦奏者も弦楽四重奏をオーケストラの代用品、と考えている限りこのヴァージョンの演奏はうまく行かない。私は昨日のリハーサルでこの編曲のミスの訂正から、編曲がうまく行ってないところの変更を、弦楽の人たちと奏法と、演奏効果の観点の双方から相談をしながら決めてきた。

 何より大事なことはこの編成で「音楽として過不足なくいい響きで聴衆にきかせられる」ことが至上の命題になる。これが達成できないと聞き手からは「やはりオケでないとダメじゃないか」という失望感しか生まれない。じゃあフルオケなら問題は生じないか、というと必ずしもそうではない。が、オケの問題はここではさておく。

 昨日は朝10時から、夕方6時近くまでかなりの練習時間が取れたので、私の意見はほぼすべて演奏者に伝えて、うまく行かないところの処理方法もピアニスト側にも弦奏者の側にも納得してもらいながらリハーサルを進めた。その結果100%とは決していえないがかなりいい方向に向き、これでコンサートもうまく行くだろう、という安心感をもって帰京した。

 私としては完全な版の出版、も考えたが、コミネックの版権の問題があるのでそれはするつもりはない。コントラバスのパート譜も含め、日本ショパン協会名古屋支部にその訂正版が保存してあるので必要な方にはお使いいただける。が、これとても、名古屋での演奏者の技量や、個々の奏者の特性も含めて考えだした結果なのですべてのケースに適用できるかどうかわからない。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

尖閣諸島問題ÖBB1020 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。