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ポーランドの鉄道(1) [旅行]

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(ワルシャワ・チェントラルナ駅のIC「モジュエフスカ」号編成表)
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(クラクフに到着した「モジュエフスカ」)

 3日間も毎日8時間づつピアノを聞いているとやはり疲れてくる。そこで私たちはときおりコンクール会場からずらかるのだ。クラコフへの小旅行を試みた。あらかじめ、目当ての列車の指定券をとっておいた。9時15分ワルシャワ・セントラル発のICクラコフ行き。終点まで無停車である。この区間はこれまで何度も乗車しているが、いつも誰かと一緒だったり、グループ行動だったりして車内でおしゃべりの結果、鉄道は何も観察していない。今日は妻と二人だけ。沿線を何一つ見逃すまい、と観察を続けた。

 ポーランドの鉄道は正直、だいぶん近代化が遅れている。この路線はいわば観光路線として、目玉のはずだが、以前より早くなったとはいえ、いまでも250キロ足らずの区間を無停車で2時間45分もかかる。おまけに今日は1時間も延着となった。ワルシャワから南250キロ地点にクラコフとカトヴィツェというふたつの重要都市がある。これまで別線で走っていたのをその中間に新線を建設して、輸送力とスピードアップをはかった。

 IRは旧線の中小都市をカバーし、ICは大都市を短時間で結ぶ、というものらしい。しかし、旧線も新線も130キロ以上は出せないが、新線区間に入るとさすがに軌道状態がいいので揺れは格段に少なく快適になる。架線は新線が4本のコンパウンド・カテナリー、旧線は3本のカテナリー。大きな駅構内のポイントはヨーロッパと同じ、ダブルスリップが多く目につく。枕木は、幹線はコンクリート枕木が多いがまだコンクリートスラブ軌道は私のみた範囲では見られなかった。

 客車は15年前から塗装以外全くかわっていない。列車はクラコフ側より1等が2両、食堂車、2等が4両、というのが標準的編成。26.4メートルの国際標準車で、全部コンパートメント。窓配置は1等が「9」2等が「11」。食堂車”Wars"だけが旧型客車の改造車らしく乗り心地が各段に悪い。途中、一瞬すれ違った列車の先頭機関車は間違いなくÖBBの1216 だ! 続く客車はPKP(ポーランド鉄道会社)のものらしい。この路線の先は国境を越えてスロバキアを通り、ウィーンとを結ぶ。ワルシャワーウィーン間には直通のEC「フレデリック・ショパン」号があるだけだからすれ違った列車は多分その可能性が高い。(続く)

訂正とお詫び:15年前のほぼ同じ列車を撮った写真を見ていたら、当時はまだUIC-
Xの下降窓で、屋根の形状、車端の絞りなど明らかに違っています。当時は空調はまだなく、写真でごらんのようなはめ殺しにはなっていません。ただ当時すでにICは名乗っていたようです。窓配置は現在と同じです。訂正してお詫びします。

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