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ショパン生誕200周年記念レセプション(2) [日本ショパン協会]

 昨夜のNHKニュースでもかなりな時間を割いて報じられたのでご覧になった方も多いと思う。スポットの中心が今年のショパンコンクールで優勝したアヴデエーヴァは時の人で、そこに集中していたのは当然であり、それはそれでいい。しかし、あの場所に居合わせた私としては、ニュースというものがいかに皮相なことしか伝えないか、ということも実感した。

 あの日のレセプションに招待されたのは、ポーランド大使の意思として、これまでのショパンコンクールに参加してきたすべての日本人ピアニストを受賞した、しないに関わらず、全員が対象となった。ポーランド大使であるヤドヴィガ・ロドヴィチ氏は日本の伝統芸能である能に造詣が深く、自らも能のストーリーを作り、演じるという人物であり、日本文学古典も読みこなすほどの人で、能楽関係者も何人か招待されていた。さらにこの1年間ポーランドの文化普及に尽くした日本人、画家、漫画家、ジャズピアニストまで含め、あらゆるジャンルの人たちが招待された。それぞれの分野の功績に応じていろいろな賞や、記念品が贈呈されたのである。

 これからもポーランドは日本と手を携えて世界に文化を発信する、そのためにショパンという希代の天才がポーランドと日本ばかりでなく世界を結びつけることになった。以上のことが今回の最大の趣旨であったことは、ザサダポーランド公使、ドンブロフスキショパン研究所長のスピーチで表明された通りである。ポーランド国の最大の狙いであったと思う。

 いくらショパン記念の年とはいえ、タレントの結婚披露宴にも匹敵するような大金を投じて帝国ホテルでこのような催しを開催することは(そのやり方が適当かどうかはともかく)日本の政治姿勢ももっと見習うべきではないか。ポーランドが世界中で日本をいかに大切な文化交流の相手と考えているかの重要なメッセージなのである。(札幌)
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