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フーガの技法(ファクシミリ) [ピアノ音楽]

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(Contrapunctus 第4番のコーダ部分)
 ずいぶん前に発注したバッハの「フーガの技法」のファクシミリ版が届いた。2008年にフィレンツェで発売されたもので、もともと、こも曲はバッハの自筆稿が全部完全に残っている訳ではない。それを補完する意味でのLeipzigで1751年と1752年の発売された初版本もそのままファクシミリで挿入されている。

 Leipzigの初版はバッハ自身がはいずれも関与していない(バッハの死後であるから)のでこれとて十分ではないが、初版のおかげで、フーガの技法の全貌がおぼろげながらとはいえ、俯瞰できるのである。初版のほれぼれするほど美しい手書きの楽譜、それも曲により別人の手になるものらしく音符の玉の大きさもレイアウトも微妙に異なる。さらに空白の部分には美しい花模様の装飾が施されていて見るだけでも当時の雰囲気が伝わってくるようで楽しい。

 それにしてもこの出版がなぜLeipzigもしくはBerlinではなくてFirenzeなのか、肝心の詳しい説明が全部イタリア語なので私には手に負えない。が、ともあれ現在一番信頼のおける一般譜である1970年のBärenreite版もほぼこの資料をもとに作られたことがわかる。様々な技巧を凝らしたフーガ集のアイデアはどうやらフレスコバルディまで歴史はさかのぼるようで、そういう関係からイタリアで出版されたのかも知れない。
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