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鉄道最前線(東洋経済) [鉄道全般]

以前にもご紹介したと思うが「東洋経済」という週刊誌が「特大号」と称して3回目だかの鉄道特集をうっている。これはなかなか読み応えがあるのでご報告したい。雑誌の名前の通り経済誌なので、この特集ももっぱら鉄道を経済の面からとらえているが、通常月刊で出されている鉄道ファン向けの雑誌類には見られない独特の視点がある。

一般の日本の平均的鉄道ファン向けの雑誌では海外記事というのはどうも評判がいまいちのようで、もっぱら国内の情報が主体だが,「東洋経済」は主に世界的な視野から,日本の鉄道関連産業のおかれた状況を見ている。全部をご紹介することはできないが、営業政策上、鉄道マニア向けの雑誌では書きづらいマイナス面も容赦なく数字で表されている。

面白いのは日本の新幹線技術を海外に売り込むことのプラス面、マイナス面などをアルストム、ジーメンス、ボンバルディアなど世界的大手会社、中国、韓国のように国策として、政府民間一体型でしゃにむに売り込む高速鉄道産業と比較しながらの問題点をかなり詳しくついている。

私が注目したのは日本の中古車両をインドネシア、タイ、シンガポール、ミャンマーのような国に輸出し、その使い勝手の良さと性能の良さが大きく現場で評価され,将来の都市交通のための車両や,鉄道関連の輸出につながりそうな勢いであるのは、無理におおきなリスクを冒してまで新幹線を売り込む必要があるのか、というコラム記事である。新興国では新幹線より,都市交通の方が10倍も市場が大きい,という指摘は鋭い。さらに記事中の日本の九州新幹線の鹿児島中央–新八代間の営業係数が106,中国の高速鉄道は経営的には大赤字だけれど国営だからもっている、と記事の内容は今後の新幹線を考える上で無視できない。

掲載された写真の片隅についこの間まで私が利用していた地下鉄千代田線の6000型の中古車が現地向けの塗装をされて写っていて,こういう使われ方はすばらしいなあ,と思った。とりあえず鉄道ファンとして一読に値する。(札幌)
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