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馬頭琴 [札幌大谷大学]

 大学のホールで一般学生のための「馬頭琴」の講座があった。私はなんでも変わったものが好きだから、面白そうなので学生に混じって聴講してみた。TVなどではときどき、本場のモンゴル辺りから馬頭琴の演奏家が来て放映されることがあるが、こういうものはやはりTVやCDのような映像で知ったつもりではだめである。なんといっても身近で見るとその存在感が違う。講師は日本人であるためにかえってわかりやすい。

 残念ながら今回はカメラをもってこなかったので楽器を映像にすることができなかった。意外にも西洋の弦楽器に似ていて、胴体の部分が台形である以外、ヴァイオリンのようなF字孔や駒もあるので西洋の弦楽器の先祖のようにも見える。フレットはないが、フレット付きの馬頭琴もあるという。弦は昔は馬の毛であったそうだが,現在は化学繊維が使われているとのこと。弓は馬の毛である。弦は「F」と「B」の二つの太い弦があるだけでそれであの超絶技巧の音楽が弾けるのである。

 膝に挟んで弾き、弓のもち方はバロック時代のヴィオローネのようで、演奏イメージとしてはヴィオラ・ダ・ガンバにちかい。音律はおそらく昔はまったく自由であったのだと思うが現在は西洋音楽の平均率に限りなく近い。音階は日本の5音音階そのものでこの楽器もかなり西洋化されたらしい。その意味では日本の演歌もそうではあるのだが。レクチャーのあと何曲か聞かせてもらった。

 初歩的な講座なので深いことはわからないけれど、やはりこの野太さと繊細さを併せ持つ響きはかつてのチンギス・ハーンの時代の音楽もかくや,と思わせるものがある。講義のあとでごく近くで楽器を見せてもらいと説明も受けた。私が知らない間にこんな面白い講座がときどきあるようでほんものに触れられるチャンスの多い札幌大谷の学生は幸せだ。(札幌)
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