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飯館共和国独立宣言 [プライベート]

 「あめつうしん」という、いまどきめずらしいガリ版刷りのミニコミ誌がある。年6回発行で269号にもなる。過激な内容が結構多く、私もときどき読んでいる。今回は「飯館共和国独立宣言」。内容は、がれきをどこの自治体も引き受けてくれないことに対する、いらだちと反発であるが、ひとひねりした視点が面白い。

 日本の政府も東電も我々を利用するだけで何か起こると結局見放しにするだけだから、もう独立宣言をする、というもの。どうせさんざん被爆したのだから、私たちはこの地を離れず放射能と共に生き、放射能と共に滅びる、といういわば開き直りとも取れる。

 我々だけがこんな不条理をうけなくてはならないなら、核を保有する、という物騒な話だが、中身は「少しだけ」笑える。核といっても、放射能だけは飯館にいっぱいあるから、それを材料に大型の打ち上げ花火を大量に作る。そしてそれを隣国である日本全国でぶちあげる。もとより飯館でも打ち上げるから放射能は自分のところにも降りかかる、自分たちだけが安全圏にいるわけではなく、自分のところにも放射能の影響は増え、日本全国にもその影響は及ぶ。こうでもしなければ我々の痛みはもうわかってもらえそうにない。悲痛な叫びである。
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