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B777−200 [札幌日記]

 航空機というものは満席の時と空いているときとはずいぶん飛び方がちがう。今日の新千歳ー羽田の518便はかつてなく空いていた。離陸の時の滑走距離が2/3くらいで、軽々と飛び立つ上、フラップ(離陸と着陸の際に使う補助翼)はほんのわずかに降ろすだけ。ほんとうに旅客機も進化したものだ。777以前の最大の旅客機、B747ではフラップは3段階に分かれ、着地の時にはほとんど地面にすれすれくらいまでに降ろし、こんなにまでしないと重量機は離着陸が大変なんだなあ、と思ったものだが、777では、フラップは一段しかなく、機構がずいぶん簡単になった。今日は東京も札幌も低気圧の影響で悪天候だが、雲の中でもまるで浮いているように静かに飛ぶ。パイロットもなるべく乗客に恐怖感を与えないように、気を遣って航空路を選んでいるようである。そのために、飛行時間が晴天時に比べ、少し延びるのだ。昔のプロペラ機の大変な揺れを経験しているものにとっては、ややオーバーにいえば天国と地獄くらいの差はある。地獄ではあっても、列車で十何時間も3等車で揺られるよりはずっと速く着くから我慢していただけなのだ。

 私はいまの全日空が発足してすぐ(1957年極東航空と日本ヘリコプターが合併してJALに対抗する最初の民間機として設立された)東京ー名古屋間のDC-3に搭乗した、日本の民間機史上、ごく初期の乗客の一人である。双発のプロペラ機、止まっているときは機体が斜めに傾いているから、座席につかまりながら自分の席までたどり着かなければならない。それから半世紀以上、ほんとうにいろいろな機種の旅客機を経験してきた。鉄道ばかりでなく、だいたい乗り物は私は何でも好きだから、「鉄」ほどには詳しくはないけれど、歴代の主な旅客機はだいたい経験している。
 
 JALの客室乗務員もこんなに空いていると、愛想良くいろいろ話しかけてくる。私もだまって無愛想にしているわけにも行かないから、「この機材は国際線用ですね」とたずねたら「いえ、国内線用ですが、かつてのJASの機材を引き継いだもので、むかし国際線に使われていました」。ふつう777は座席が10列なのだが、これは9列、とややゆったりとってあるので、こういうどうでもいい質問をしたのだ。雑学がまたひとつ増えた。
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コメント 4

JT

JASが777を所有していたのですか・・DC9だけだと思っていました.
私は747が好きで極力747の便を選んで予約しています.4発独特のエンジン音にうっとりします.
私が今までのって一番気に入ったエンジン音の飛行機はIL62です.DC8のような独特の金属質のタービン音にしびれました.マニアックですみません.
鉄ではやっぱりMT54のモーター音です.現在北海道では711系しかありませんが・・・

by JT (2012-04-12 15:43) 

klaviermusik-koba

イリューシンですか?面白いものがお好きですね。私もかつてだいぶんお世話になりました。747もコンピュータ制御になってからは、ずいぶん安定した飛び方になったのと、やはり4発エンジンは安心感が違います。時代遅れ、と笑われそうですが。形式は忘れましたが、 ソ連時代に6発エンジンの旅客機があったそうですが、それは乗ったことがありません。一度乗りたかったです。


実は私も瞬間、あれ?JASに777はなかったはずでは?と思いましたが、それ以上聞くのはやめました。だいぶん年配の乗務員でしたから彼女のいうのが正しいのかもしれません。
by klaviermusik-koba (2012-04-12 19:03) 

N

こんばんわ。楽しく拝見しています。
汽車好きと旅客機好きって結構ダブっているようですね。
JASの777は、レインボウカラーとかいいまして、虹色のテープを機体にぐるぐる巻きにしたような、よく言えば天女の羽衣みたいな塗装で飛んでいました。黒沢監督がMD80か何か7機を虹色に塗ったすぐ後でしたね。写真を見ると、あああれか、と思い出されるでしょう。
by N (2012-04-13 00:54) 

klaviermusik-koba

Nさん、おはようございます。JASのレインボウカラー、なつかしいですね。
あのなかに777もいたのですか。なるほど。MD80についてはよく覚えていますが、JASの国際線にはのったことがないので知らずにいました。そうするとやはりあれはJAS時代の機材ですね。しばしばあの機材に当たるところをみると、液晶画面付き、ファーストクラス並の広いクラスJシート付きの777は何機かあるのですね。あの広いシートには残念ながらまだ一度も当たっていません。
by klaviermusik-koba (2012-04-13 09:26) 

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