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クマとLGB [レーマン(LGB)]

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村の広報車が我が家の前で止まり、熊が出ましたから気をつけてください、と拡声器で告げられた。家のまわりには「注意、熊出没」という立て札がいたるところにあり、いまさら、という気はしないでもない。そういわれたからといって、毎日天気さえよければ出かける山の散歩道、今日もあきらめるつもりもない。まず普通の人は通らない道だが、釣りをする人は少なくなく、彼らにしたところが全然気にするふうもない。「クマが出たそうですよ」と注意しても「ああ、そうですか」で終わり。村の中で熊が出た、というニュースはときおり聞くが、熊にやられた、というのはここに小屋を建ててかれこれ23年、いちども聞いたことがない。クマにしたってやはり人間は怖いのだ。

クマの立場からすれば、人の家の敷地とそれ以外のところの区別などはないから、(実際シカは夜中、敷地の中でしょっちゅう鳴いてる)こうやってレーマンを運転していても敷地の中でも絶対安全という保証はない。でも機関車の警笛は熊よけにはなろう。そもそも、この土地を買うとき、クマ付きの値段でいくらです、と冗談めかしていわれたものだ。それにしてはまだ一度も熊の顔を見たことがない。年によって山にエサがなくなると、人里までおりてくるのであろう。でも私もクマはやはり剣呑だから散歩にはシンバル、鈴、などのSchlagzeugは必ず携行する。
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