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ノーベル賞と大学自己点検評価 [一般向け]

ノーベル賞が決まった山中伸弥教授の会見報道を聞いていて、なるほど、と思ったくだりがあった。「国から、大学から多額の研究費をいただいたおかげ」と感謝の言葉を述べておられた。旧国立大学はもちろん、私立大学も毎年、「自己点検評価」をすることを義務づけられており、文部科学省から委託を受けた評価員から7年に一回、評価を受けることになっている。これには大学として多大の労力が先生や事務局たちにかかり、煩雑この上ない。札幌大谷大学もつい先日他大学から評価を受ける儀式があり、責任者として私もきりきり舞いをさせられた。しかしこれも国から補助金をもらっているからには止むを得ないであろう。


現場に立ち会ってみて、実際どこまで正確に評価され、どこまで意味のあるやり取りであるのか、大いに疑問を持ってはいる。山中教授の研究のように大学が国家的に価値がある成果を出しているとみなされれば、国からの補助金は増やされ、あまり価値がないとみなされれば補助金は減らされる、というシビアなシステムである。限られた国家予算を重点的に配分する、という意味では理にかなったやり方であろう。ただ、このような誰の目にも明らかな優れた研究は目に付きやすいが、基礎研究というものはだいたい将来どうなるか、海のものとも、山のものともわからないのが一般である。文部科学省としては成果が出た、と鼻高々であろうが、一方で目立たないながらも優れた研究をコツコツ続けている分野にどう目配りをして評価をするか、というのが今後の課題になると思う。人が人を評価する、数字では
出ないものを評価するのはまことにむつかしい。
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