初春の東宮御所 [プライベート]
初めて東宮御所に参入して以来、40年近くの年月が経つ。その間、御所のまわりの青山通りなどの東京の町並みはすっかり変わったが、御所の中はなにも変わらず、時間が止まったようにみえる。といって、なにも変わっていないわけではない。数年前、御所の大がかりな耐震工事が行われたために、しばらくは皇太子ご一家は皇居に仮住まいをしておられた。考えてみれば工事完了以後、ここにうかがうのは初めてだが、なにかが変わったようにはみえない。なにもかも昔と同じで、車寄せも、玄関も、一般の住居にたとえれば客間であるこの日月の間も、シラカバの庭園も全く同じにしか見えない。
今日は皇太子殿下のお誕生日であり、主として学習院大学の関係者や、何らかの形で殿下とご縁のある方々がお祝いを申し上げる集まりである。ちょうどこの時期は大学は受験シーズンで何かの行事にぶつかるので私も毎年はなかなか伺えない。何年ぶりかのご挨拶となる。毎年約7、80名の方々が参内されるが、殿下は出席者全員ひとりひとりに丁重にこたえられる。私も殿下のご負担にならないよう、ごく手短に近況をご報告申し上げただけである。毎年このご招待状が来ると、ああもう寒い冬も終わりに近づいたなあ、という感慨を持つ。そういえば、私がここへカメラを持ち込んだのは初めてだと思う。別に撮影禁止になっているわけではないが、やたらとシャッターを切るのは何とはなしにはばかられる空気を感じてしまうからでもある。もうあと何回伺えるか分からない年だから、思い切って何枚かのスナップを撮らせてもらった。
2013-02-23 17:32
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