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ルトスワフスキ弦楽四重奏団 [音楽全般]

ルトスワフスキ、といえば「2台のピアノのためのパガニーニ変奏曲」くらいしか日本では知られていない。20世紀ポーランドを代表する作曲家で、ピアノ曲はほとんどなく、だいたいが大オーケストラのための曲が多い、おまけに演奏もむつかしい、聞くのもむつかしい、とあってはあまり知られないのも止むを得ないであろう。

曲目が面白いので聞いてみる気になった。ルトスワフスキ、ショスタコヴィッチ、マルコヴィッチ(今日の第二ヴァイオリンをつとめた)シマノフスキ、の弦楽四重奏曲となかなか聞き応えのあるプログラムで、最初にインタビューなどもあったせいで、終演は9時半をまわっていた。正直にいうとルトスワフスキの弦楽四重奏は一番「現代音楽風」であって曲として優れているのかどうか、私にはわからないが、やはりあまり一般に弾かれないのもわかる気がする。最後のシマノフスキが幻想的で叙情的な内容で私には一番楽しめた。

それにしてもこういうコンサートになるとポーランド大使館が全面的にバックアップし、宣伝、広報活動に務めている。そのせいもあって、こんな馴染みにくいプログラムなのに、紀尾井ホールは8割がたは埋まっていた。ポーランド人の観客が多いのは当然としても、こんな地味な活動にもポーランドという国が文化をささえる、という姿勢が明確に見える。音楽に限らず、国の文化をこれほど大切に考える国はヨーロッパの他の国と比較しても群を抜いているのではないか、と羨ましく感じたし、その文化活動もそれぞれの価値をきちんと把握した上でのことだから、何でも自国のものだからいい、というナショナリズムからきたものではないこともわかる。

ついでにポーランドの3大国際コンクールとは、ピアノのショパンコンクール、ヴァイオリンのヴィニアフスキコンクール、チェロのルトスワフスキコンクールの三つの柱がある、という認識も持った。
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