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戦前型電車(DB) [古い旅のアルバム]

写真.JPG
この写真はもうだいぶん褪色している。おそらく1960年頃の写真であろう。Königsseeの駅頭で撮影したもの。車体中央にMünchen ET90-03の表記があるが、戦前型の電車で第2次大戦を生き抜いた古豪である。この電車は南ドイツもオーストリアの国境に近い山間部Königssee-Berchtesgaden間を往復していた。そもそもこんなローカル路線、もう今では廃止の憂き目にあっているのではなかろうか。当時ですら、単両、がら空きで走っていたが、それでもワンマン運転、という概念はDBでもなかったとみえる。

当時、ハンブルクやハノーファーあたりでさえ、電化していなかった時代、旧型とはいえ、電車が走っていたのはすごい。というより、DBでは電機と客車の増備は進んでいたものの、新しい電車を開発する動きはあまり見られず、その点は日本の方がはるかに先をいっていた。動力分散、高速電車、という思想はなかった。南ドイツは山間を走る勾配の多い鉄道がたくさんある関係で、比較的早く電化されたのであろう。

私がメルクリンやROCOでこの種の戦前型がときおり発売されると目の色を変えるのは、どうやらこののどかな田園風景あたりが原点らしい。しかし、さすがに1960年当時にあってもドイツのどこでも見られた風景ではなかったようである。(これも拡大してご覧下さい)
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コメント 4

HUH

興味が湧いたので調べてみました。
Königsseebahn (Berchtesgaden–Königssee)は1961年から夏のみの運行になり、1965年に運行停止、1971年に正式に廃止となっています。Königsseeの駅舎は現在も残っているようです。
ET 90は最大27.5パーミルの急勾配が存在するKönigsseebahnに対応するため、1927年製のET 85のうちの3両 (ET 85 13/14/16)のギア比を変更する形で1949年に登場し、1972年に廃車になっています。現役時代のカラー写真は貴重でしょうね。ET 90は現存しませんが、ET 85はStuttgartで保存されていますようです。
by HUH (2013-06-15 16:57) 

klaviermusik-koba

やはり廃線になっていますか。これも時代の流れで仕方がないです。
ET85は1980年代にBochumの鉄道博物館で見た記憶があります。それから後、Stuttgartに移されたのか、あるいは同じ形式のものが両方にあるのか、はよくわからないです。
by klaviermusik-koba (2013-06-15 17:04) 

HUH

 Eisenbahnmuseum Bochum-Dahlhausenに保存されていたET 85 007とES 85 15の2両が、現在はSVG Eisenbahn-Erlebniswelt Horb am Neckerに売却され、DRG時代の2色塗装に戻されています。SVG Eisenbahn-ErlebinisweltにはET 30やET 65も保存されていて、実際に特別運行されることもありますので、旧型電車ファンには興味深いでしょうね。
by HUH (2013-06-15 20:40) 

klaviermusik-koba

2色塗装、といえばグリーンとクリームの塗り分けですね。なるほど、戦前型の電車はSVG Eisennbahn-Erlebnisweltに集中しているのですか。それぞれの博物館が独自色を打ち出す、と言うことなのかも知れません。オリジナル塗装の現物は見てみたいものです。
by klaviermusik-koba (2013-06-15 21:41) 

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