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作曲コンクールの予選 [ピアノ音楽]

洗足学園大学主催の作曲コンクールの予選審査会があった。譜面審査だけで、音はでない。楽譜はpdfで送られたもので、これだけで作品の良し悪しを見て、これもpdfで送られてきた審査用紙に点数を書き込み、多少のコメントとともに今日の審査会に持参する。

私が担当したのは鍵盤楽器で、ピアノ、チェンバロ、オルガン、チェレスタの独奏作品に限る、というもの。譜面だけで審査するのは大変だが、幸いというべきか、自分である程度弾いて見ることはできるので、最初の1ページ音を出して見るだけであらかた見当がつく。国内外から41曲の応募があり、審査の公平を期すため、審査員には作曲者の国籍も、氏名も、年齢も、経歴も知らされない。これは国内の多くのピアノコンクールと同じである。

審査のやり方はここでは明らかにできないが、予選であるから審査員の合計点数だけでほぼ自動的に決まるピアノコンクールとは違い、審査員の間で全く評価の異なるものは議論をして全員納得の上決定する。私の立場は、まず曲として面白いかどうか、作曲技法があるレベルに達しているか、を基準とする。予選であるから、実際に演奏して面白そうなもの、がやはり最大基準となる。

だいたい予想していたようにほとんどが調性のないいわゆる「現代音楽」であり、チェンバロであろうとオルガンであろうと変わりない。作曲技法の細かいことまでピアニストにはわからないかというとこれがそうでもない。いい曲はなんというか「譜面づら」がいいのである。譜面づらの悪いものは概して作曲技法がなっていないことが多い。これはピアノの上手下手を見るよりもっと極端である。かくて、ピアノ作品が5曲とオルガン作品が2曲、来年4月、一般公開で実演で審査する本選作品が選出された。

ピアノコンクールには慣れっこになっている私にも「作品」を審査するのは、新鮮で楽しい仕事であった。そういえば作曲のコンクールというものは日本ではそうたくさんあるわけではないから、若い作曲家が挑戦するにはいい機会であろう。
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