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北川暁子ピアノリサイタル [ピアノ音楽]

久しぶりに北川さんのリサイタルを聞いた。ショパンの連続演奏会の一つで3番のソナタ、幻想ポロネーズなど重いものばかり。年齢を重ねた味わいのあるコンサートだった。もともと、なんでも弾ける人だが、ショパンは果たしてどうかな、と思っていたのだが、例によって淡々とした演奏で、特に変わったことをするわけでもないが、隅々まで細かい配慮が行届き、オーバーなアクションは皆無であるが、聞く人には深い感銘を与える演奏だった。私はこのブログで演奏会評めいたことなるべくは避けるようにしているのだが、これは外せないと思った。

ゆっくりした楽章やノクターンなど日本人には珍しいかなり早いテンポではあるのだが、私の性格として、思い入れたっぷり、というか、やたらと深刻めいた表現は好きではない。その結果遅い曲はむやみと時間がかかり、なんだまだやってる、とうんざりすることにもなるのだ。比較的速いテンポでもやるべき表現はきちんとやり、聞かせるべきは聞かせる、というのは決して並の能力でできることではない。日本人の弾く緩徐楽章はともすれば浪花節的にやたらともって回って遅くなりすぎる傾向にある。

近頃はやりのコンサート後のスピーチもなく、さっさとアンコールを済ませ、型どおり、というものだった。が、コンサートというものは本来それでいいのだ。いい演奏の後に余計で下手なスピーチはせっかくの音楽をぶち壊す。
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