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ホームカミングディ(3) [ピアノ音楽]

F.A.Boieldieu(1775-1834)ボイエルデュ、フランス人だから、ボアエルデュ、と発音するのが多分正しいだろうが、今ではごくたまに「バグダッドの大守」序曲がオケのプログラムに載るくらいでほとんど忘れられた作曲家である。この人の作品がピアノ連弾用の編曲で「白衣の婦人」(原題La Dame Blanche)の題名でこの日のプログラムの冒頭を飾っている。19世紀前半、パリを中心にヨーロッパでバカ売れしたオペラだったので、誰でもピアノで楽しめるよう連弾用に編曲した楽譜が出回っていたとしても不思議ではない。

フランスのモーツァルト、と言われただけあって口当たりのいいアリアがいっぱいあるが、そのいいとこ取りだけの編曲だから、ヨーロッパ中で人気があった楽譜が西洋音楽黎明期の日本に輸入されたものらしい。今の人たちはほとんど知らない作曲家だが、私が子供の頃、家にあったピアノ独奏用に編曲された通俗人気曲集の中に、「天国と地獄」「詩人と農夫」「ドナウ川のさざなみ」などに混じってボアエルデュの作品が幾つかあったので、好んで弾き散らかしていたから、私にとっては幼なじみの懐かしい作曲家といえる。その意味でも私にとってもやはりホームカミングであったわけである。

ホームカミングデイの出演者は芸大在校生や卒業生でその後も芸大に縁の深かった人たち、という人選で行われたらしく、私に演奏依頼が舞い込んだのが、昨年12月に入ってからである。出演者としては多分最長老、ということになろう。相手は私に任せる、ということなので、長年ピアノ科の助手を務めたFさんにプリモを依頼し、なんと言っても曲が「白衣の婦人」だから、純白のドレスを着てもらっての出演となった。私としては久しぶりの芸大奏楽堂のステージなので感慨もひとしおであった。
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