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大塚国際美術館 [一般向け]

四国旅行の最大の目的は、実はこの美術館を見ることにあった。JR鳴門の駅から車でさらに20分くらいに不便なところにあるのでアクセスが容易ではない。この美術館の特徴は陶板を用いて世界の名画を原寸大で再現したもの。

だが、そういうだけで本物志向の人は顔をしかめるであろう。しかし陶板は現在の技術を持ってすると信じ難いほどの色彩感、材質感がリアルに表現できる。この美術館の目的は壮大である。たとえば我々が世界の美術館で見ることのできる実物の美術品の数々は年が経つにつれて、材質は劣化し、色彩は実際に描かれた時から見るとかなり違ったものになっているはずである。それを現代の状態を陶板で再現して保存すると、陶板は劣化しないので、以後何百年経ってもほぼ同じ状態で見られる。

音楽に関して言うと、作品が何百年経とうと楽譜という「記号」で伝えられるから、言って見れば音楽作品がディジタルで保存されているのに近い。バッハが書いた音符は、現在我々はほぼ同じ状態で接することができるが、美術品に関して言えばラファエロが描いた当時のままの色調、質感で我々は見ているわけではない。

ここに掲げた画像はごく一部に過ぎないが、たとえばシスティーナ礼拝堂のダ・ヴィンチの天井画、建物から原寸大で再現され、それを、下から見上げることもできるし、中央の高さから観察することもできる。それによってこの五層に描かれたスケールの大きさと構造をより理解しやすくなる。この色調はシスティーナ礼拝堂の天井画が最近修復されたものを元にしている。

全部を一日で見るのは不可能である。とても歩いてみきれるものではないので、私は一計を案じ、車椅子を借りた。これで移動はずいぶん楽になる。何より写真がいくらでも自由に撮れるのがいい。レストランでとった昼食の「鯛めし丼」がなかなかうまかった。

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ご存知、ピカソの「ゲルニカ」である。人間の蛮行、愚かさはいまも変わっていない。強烈な怒り、描写を前に、私はしばし呆然とし、言葉もなく佇んでいた。

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