新手の詐欺にご注意 [プライベート]
サントリーホールから地下鉄の赤坂駅に行く途中、車に乗った男から呼び止められた。道でも聞くのかと思ったら、「今帝国ホテルで会があったんだがこんなもの引き出物にもらった。わたしゃ何億も金があるからこんなものいらんからあげるよ。とっときなさい。」いかにも安物っぽい金ぴかの時計を差し出した。これ、なん10万もするんだ。(だいたいなん10万もするものを引き出物に出すわけない)この時点で先ず怪しい、とみたのでその男の風体をそれとなく観察した。さらにいくつかのバックなどもとりだしてこれもやる、とのたもうた。この時点で私はこれは詐欺、と確信したから、次の手はどうでるか、とみていた。すぐに断ってもいいのだが、見るからにその筋っぽい人なので、うかつな対応をしたら何をされるかわからない。日曜日の都心で殆ど人通りがない。とにかくなんとかお手柔らかにお引き取り願うしかない。
「いや、実はちょっとした賭でなん10万だかの金をなくして持ち金がない。今運転手が来るから彼に渡す金がいる。少し金を貸してもらえんだろうか。」ははあ、やっこさん、いよいよ馬脚を現したな、と思ったので「申し訳ないが、私は今体調が悪い、医者に行く途中だからこんなことしてるひまはない。」と突っ返したら、案外素直に受け取ったので少しほっとして、赤坂駅へ急いだ。
サギの技術としては、ピアノでいうと,ほとんどチェルニー30番程度だから、(ピアニストの悪い癖ですぐエチュードの何番程度,と値ぶみをしてしまう)こんな初歩的サギにひっかかる人もいるのか、と思ったが、電車に乗ってから「そんなに俺はカモっぽく見えたか」と少し落ち込んだ。しかしすぐに気を取り直し、うん、これはブログのいいネタになる、と思い直すことにした。みなさんくれぐれもご注意のほどを。
初めてコメント差し上げます。goshu1008と申します。
危ないところでしたね。新手の詐欺のご忠告、東京に出る際には十分気を付けたいものです。
それに例え(ツェルニー30番)がさすがだなぁと。
実はたまたま以前から交流のありましたCeciliaさんのブログから、彼女がコメントを入れていたれいこさんのブログを閲覧させていただいた際に、”Klaviermusik”と気になるハンドルネームがありましたので、こちらを訪問させていただいた次第です。
まさか60年のChopinコンクールご入賞者のブログとは思いも寄りませんでした^^)
ショパン音楽の愛好家の末端に連なる一人としてKlaviermusikさんのブログにコメントを入れさせていただけるのは僥倖です。
by (2007-03-18 23:27)
先生、なんか妙なことを体験なさりましたね。
自分の両親にも言い伝えます。
「医者に行く」といういい訳は、いいですね。
個人的には日曜日には、また出来れば別のアイデアを
考えておくべきかな?(日曜日に医者に行くのは難しいから)
と、対応の対応をと、考えつつ、
先生みたいなご立派な方でも、こういうものに出くわすのだと
気を引き締めました。
最近私は、世の中のおかげで、
電話の愛想がとても悪くなりました。
訳の分からない電話だと、”雇われ留守番”の振りをします。
時代は変わりましたね。
by K.さん (2007-03-19 22:36)
>goshu1008さん、
そういうわけですから、年のほどはお察しがつくと思いますが、サギのカモになる、というくらい若く見えたのかもわかりません。
いかにも小金を持っていそう、と見られたのでしょう。ご用心のほどを。
>Kさん、
ははは、長生きすると面白いことにも出くわすものですね。
医者に行く、ということは、少し考えれば今日は日曜日、というくらいの嘘はすぐ見破れそうなもんだが、向こうもすこしあがってたんじゃないかな。
by klaviermusik-koba (2007-03-20 21:47)