オープンキャンパス [札幌大谷大学]
29日、札幌大谷大学のオープンキャンパスで急に私に何か出し物をやれ、という。レクチャーコンサートである。といってももういまからまともなものは間に合わない。考えたあげく、北海道各地から集まる高校生のために、チェンバロを聞かせ、当時の楽器の事情について話をするついでにバッハの小品を少し弾くのも悪くないな、と思いついた。どうせのことなら、うちにあるインヴェンションと平均率のバッハの自筆稿のファクシミリを譜面台において、バッハの自筆譜について話をするのも面白いかも知れない。
そして、ついでに高校生にこの楽器にさわらせてみるのもまたいいかも知れない。
東京の人にはさしてめずらしくない楽器だが、札幌はまだしも、北海道の地方都市ではまだチェンバロは本物をさわった経験がある人はそう多くはない。そう思っていつも資料としてだけ持っているバッハ自筆譜のファクシミリを前に置いて弾いてみると、これがまた新鮮なのである。ソプラノ記号やアルト記号で書かれ、しかも見開き2ページの五線紙に書ききれなくて欄外に小さく残りの部分を書き足したり、よくまあこんな短い中でこんな素晴らしい音楽が、完璧な形でたちあらわれることにあらためてバッハにたいする畏敬の念が生ずる。この2番シンフォニアのページも、もう1小節はみ出したら書ききれなくなるのだ。
2008-06-15 21:15
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コメント(4)
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とても贅沢なレクチャーコンサートですね。
このチェンバロはカワイ社製。どんな音色だったのかな・・・と思います。
ちなみに、先日、カワイのアップライトピアノ、前譜面台部分の蓋と足元の蓋を全部取り外し、ハンマーが動く状態を見えるようにしコンサートしました。
グランドとの違いを説明しながらであったのですが、いざ、演奏に入ると目の前でハンマーが動くため、わかっていたものの初の試みに汗だくでした。こんなこと、普通やらないでしょうね・・・・。
あらためて音色作りにダブルエスケープメントアクションの重要性を実感。
ツカレマシタ(笑)
by ake_i (2008-06-16 08:53)
全く同じタイプのチェンバロが札幌大谷にあるのです。これは全部で40台しか製造されず。札幌大谷で、これを買いたいと思ってももう在庫がない。
それでも諦めず、探してもらったら、1台だけ、各地で宣伝用に使いまわしていたもので、売り物にならないのがあったとかで、それを安い値段で譲ってもらったのだそうで、いまや、学内ではずいぶん重宝して使われています。
歴史チェンバロはあったほうがいいよ、ともうずいぶん前から私がいっていたのですが、8年くらい前にこれを買ったそうです。
by klaviermusik-koba (2008-06-16 10:48)
私も函館ではチェンバロに触った記憶が殆ど有りません。
近い内に大谷に先生を訪ねに行けたら良いのですが。
by イトバク (2008-06-20 08:15)
本当はクラヴィコードやフォルテピアノもあるといいと思っているのですが、まだ予算が・・・。折りがあれば大谷にも遊びに来てください。
by klaviermusik-koba (2008-06-20 08:59)