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ラ・チ・ダレム・ラ・マノの主題による変奏曲 [ショパン]

 モーツァルトのオペラ「ドン・ジョヴァンニ」より「奥様お手をどうぞ」の主題による変奏曲 Op.2

という長たらしい名前の曲。曲名が知られている割にはコンサートで弾かれることは極めてまれ。それも理由のないことではない。まず、曲自体、シューマンが激賞したほどにはさほど面白い曲とは思えない。演奏技術から言えばかなり難しく、腕の立つピアニストなら喜びそうだが、このオーケストラの伴奏がいくらなんでも凡庸なのだ。それでもピアノ・ソロの部分にはを後のショパンを伺わせる美しさも たくさんある。とはいえ、この曲は、当時大変はやった「エア・ヴァリエ」(アリアによる変奏曲)という名の凡百の曲がやたらめったらつくられ、好まれた時代の産物以上のものではない。

 そんなわけで、オーケストラの伴奏部分を単に弦楽四重奏になおすだけの仕事には、すこし嫌気がさしてきた。そこで、原曲を出来る限り尊重した上で(私の編曲はいつもこの姿勢が基本である)オーケストラ伴奏部分に最小限、ピアノソロを少しは引き立てるような変更を加えてみようと思う。ピアニストが単に弾きまくるだけではなく、オーケストラにもせめて多少は楽しんでもらえるパッセージも必要なのだ。このままではいくら弦楽四重奏になおしたところで、プレーヤーはやはり嫌気がさしてしまう。以前に「演奏会用アレグロ」をピアノコンチェルトに編曲したことを思い出し、その経験をもとにもう少しは何とかなりそうな気もする。もとより、私は空前絶後の大天才、ショパンを崇敬することにおいては人後に落ちないつもりだが、ショパンなら何でもかんでも無条件にすばらしい、という態度は私はとらない。

(追記)目下編曲中だが、これはもしかすると、「アンダンテ・スピアナートとグランドポロネ−ズ」のように、ソロヴァージョンに編曲しても案外面白いかも知れない。オーケストラ伴奏はほとんど必要がないように思える。
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