ワイン運搬車（２）

　私は下戸でワインもそう好きではなかったが、シチリアへ旅行して以来、ワインにすっかりはまってしまい、たくさんは飲めないもののナイトキャップにはかかせない。

　昔から音楽家にはワインにまつわる話には事欠かない。モーツァルトが友人にワインを送るのを断る手紙を書いている。「送って下さるご厚意は誠にありがたいが、輸送の途中でワインはダメになり、運賃だけを支払わなければならないことをお察し下さい」（いったい当時は運賃着払いだったのだろうか）。もとより、このようなワイン運搬貨車のない時代である。ご承知の通り、ワインは樽の中で寝かされて熟成させる。それをそのままこうやって貨車で樽ごと運んでしまえば品質は落ちない。かくてヨーロッパでは古くからこういうワイン運搬車が多数存在した。とくにワイン大国フランスの国鉄SNCFには実に多くの種類があり、これもドイツのビール貨車のようにコレクションすれば面白かろう。

　ところがどうだ。今年のボージョレ・ヌーボーにはペットボトル入りのがある。私は仰天した。日本産のワインはコルク栓のものは少なく金属製のフタ、つまり日本酒と同じのが多い。が、さすがにペットボトルはまだ見たことがない。樽＜コルク栓のビン＜金属のフタつきビン＜ペットボトル、こういうのを進化したというのだろうか。

コメント 6

ワイン、パン。
以前にパンのブログを書かれていらっしゃり共感したことを思い出しました。
噛みしめると味わい深いパンを求めていたら、結局、自分で粉から作ることになってしまいました。納得いくパンになかなか出合えず。
世の中にはホームベーカリーという機械があるようですが、それに頼らずにこね作業から一次発酵→ペンチタイム→二次発酵→焼き上げる!という工程を手間暇かけて焼いたパン。全粒粉の風味、我ながら美味しく焼けております(粉を練る作業で腕の筋肉も鍛えられております)。
世の中味気ないものが増えてきてしまい、ワイン一本開けるにもコルクのぬくもりを感じたいものです。
シュポッっとコルクが抜ける音。
聞くことが出来ると尚更ワインを頂く楽しみもあるのですけれど・・・
進化の中に本物が失われていくこともあるのではないか。
パンを焼いてみるようになり、つくづく思っています。
０系スタート時、誕生した私。まだまだ♪♪♪頑張ります!!!♪♪♪走ります!!!
by ake_i (2008-12-04 15:07) 

そうですか、あなたはゼロ系世代でしたか。全粒粉のパン、おいしいですねえ。毎朝欠かしません。でも自分で作るのはもっとすごい。手を痛めないでください。ワインは面倒だけど、やはりあのコルク栓に限る。ワインの栓抜きを集めるのも面白いだろうと思いますが、そこまでは手が回らない。私は一番簡単な螺旋状の栓抜きでもあまりしくじらないのですよ。
by klaviermusik-koba (2008-12-04 18:27) 

シチリアで飲んだワインは最高でした。
お金と時間に余裕があれば、毎年でも行きたいですねえ。
by しげやん (2008-12-09 21:58) 

しげやんさん

シチリアのワインはまったく格別です。ただほとんどが現地で消費されるため、あまり輸出には回らず、現地で飲むしかなさそうです。ただ鉄道としてあまり見るべきものはなさそうですね。
by klaviermusik-koba (2008-12-12 14:03) 

シチリアだけで考えるとあまり魅力がないかもしれませんが
イタリア本土よりフェリーに客車を積み込んで
そのまま海を渡るコースは
とてもよかったですよ（父がとても喜んでいました）。
橋をかける計画があるようですが
どんどん遅れているらしく．．．しばらくは大丈夫でしょう。
ちなみに私はアラストロというワインがとても気に入りました。
by しげやん (2008-12-15 22:43) 

メッシナ海峡の連絡船に長い列車をいくつにも分割して入船させるのはなかなか壮観で見物ですね。今や世界でも数少ない存在になったのでは？私はレンタカーを積み込んでわたりましたが。
ワインは大きなボトルででてくる地ワイン（？）で無印良品が多いですが、聞くところではストロンボリ（有名な活火山の島）産のものが最高、だそうです。

by klaviermusik-koba (2008-12-16 12:14)