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オリンピック選手とマスコミ [プライベート]

なんか私には分かる気はするのだ。例のズボンのはき方が悪い、とマスコミにたたかれた選手である。ズボンのはきかたなどどうでもいいではないか、と私はいいたいのではない。

こういうこと、経験のある人は結構いるのではないか。1960年私は日本代表としてショパンコンクールに出かけることになった。TVにもたくさん出演し、インタービューも受けた。あなたはショパンがどのように好きか、と聞かれてこともあろうに、実は私はショパンはそう好きではない、とTVで放言して大顰蹙を買った。「こともあろうに日本の代表としていくのだから言葉は謹んで欲しい」と批評に書かれもした。

こういう失態をやらかすには世間的には理解されないだろうがそれなりの背景もある。私はショパンは大好きな作曲家ではあるものの、それだけに一生を捧げよう、と思ったことはないのも事実。さらに、自分はショパンは好きだがあまりうまく弾けない、ということも知っていた。プレッシャーの中での、そしてコンクールがもし仮にうまく行かなかったときのいいわけとして、それほど好きでない、ということにしておけば自分にたいするいいわけ、もしくは予防線を張る、という心理状態だったことはあとになって見れば歴然としている。弱腰、といわれるのもあとになれば甘んじて受けられるのだが。

だが世間は表面に出たことだけをとらえて問題にする。であるからして、わたしはあの行儀の悪い選手には同情的な見方なのだ。プレッシャーに対する反感、ないしは自己防衛本能、ととらえられないだろうか。
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