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ミニミニオペラ [札幌日記]

 たいして用はないのだが、学生の卒業自主コンサートがある、ということで、先生の誰かが大学につめていなければならない。休みの日なので私がその役をかってでた。朝11時から4時半まで、いろいろの出し物があった。最後のプログラムに声楽の学生が、多少の有り合わせの装置と衣装とで「フィガロの結婚」の抜粋を演技付きでやった。これはとても楽しく、ピアノの学生が歌も歌い、声楽の学生がピアノも弾く、というふうで、アイデアと演奏もよかったが改めてモーツアルトの音楽にまぶたが熱くなった。超一級の作品は演奏の質に関わりなく人を感動させるもののようである。

 あんまり楽しかったので終わりに「おめでとう」といって、私はピアノの前に座り、ケルビーノのアリアの前奏を弾き始めたら、全員が歌いだしたので、とうとうおしまいまでやることになってしまった。まあこういう交流も悪くないであろう。


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