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ショパンが日本のピアノの先生に習ったら? [日本ショパン協会]

「表参道」続編

 昨日は河合貞子さん、青柳いづみこさん、それに私とでパネルディスカッションがあった。1830年代のパリとショパン、ということでお二人にうんちくを語ってもらい、それはそれで楽しかった。

面白かったのは、話がショパンとカルクブレンナーのところに来たとき、カルクブレンナーはショパンに自分のところで3年勉強すれば大ピアニストにしてみせる、といったくだりである。カルクブレンナーのピアノは古い奏法だから、まず「君の指は弱いからまず指を鍛えなきゃ」といったそうだが、私はそこではたと思いついて発言した。「いまもし20才のショパンが日本のピアノの先生にもし習いに来たらどうなる?」 こういう発想はピアノの先生は誰もしないだろうがやはりカルクブレンナーと同じことをいうのではないか。「あなたは指が弱いからもっとしっかりした音がでるようにしましょ」と、ハノンとかチェルニーとかの練習曲をいやというほどやらされ、結局ショパンはつぶされるのではないか。(こんな才能はそんなことでつぶれはしないだろうが)

でもショパンの非凡なところはカルクブレンナーには結局師事せず、またカルクブレンナーの立派なところは、自分のところから去った生徒であるはずのショパンをずっと温かく見守り続けたことだ。程度問題ではあるのだが、指をやたら鍛える、ということにわたしは最近疑問を感じている。音楽に目覚めれば、そして(ここが大事なところだが)生徒自身が必要を感じれば、指は後天的にあとから鍛えられてくる、ということである。私は多くのそういう生徒を見てきた。

話のなかで即興演奏の話がたくさん出た。あとで後悔したが、当日、少し誰かからテーマをもらって私が即興演奏を実際やってみる、ということを思いつかなかったことだ。が、まあこれはまたいずれ適当なチャンスがあろう。
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