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石について(1) [プライベート]

 草花、樹木、盆栽、石。
 若いときから、年をとるまでの人が興味を持つ順序をしめしたものである。草花は子供でもその美しさはわかる。樹木となるとかなり大人にならないととその美しさがわかるようにならない。盆栽のよさは、さらに年をとらないと真価はわからない。石となるともう一般的には後期高齢者くらいにならないと無理かも。人間は残された生存期間が短くなるにつれて、よりながく生きるものに執着心をもつようになるのかも知れない。

 人はなにかものを買うのに、出来れば新品を買いたいと思うだろう。でも、庭を造るとき必要な樹木は新品というわけには行かない。どこかで何十年かかかって誰かが育てたものを買うわけで「新品」は存在しない。石にいたっては45億年もたった超中古品である。いい石をどこかの山で見つけてきた、といってもそれまで人の目に触れなかっただけであって、石自体は45億年はどうか知らないが、大昔から存在し、地球が将来太陽が膨張して飲み込まれるまでは、何十億年かは多分存在し続ける。

 盆栽とか、石とかに私はたいして興味があるわけではないが、なぜか一度どこかのデパートで催された皇室所有の盆栽展を見に行ったことがある。徳川時代から何百年と手入れをされ、持ち続けられてきたものは我々門外漢にもそれなりの風格は充分感じ取ることは出来る。盆栽は長年大変な手間がかかっているのだからいいものは高価なのはわかる。でも石はただあるだけのものを見つけてもってきただけだから、運搬の費用がかかるだけなのだが、これがいいものになると信じがたい値段が付く。「こういう大きな赤い石はなかなか見つからないものなのです」と庭を造ったときに庭師から講釈を受けた。でもこの良さが私はわかっている、とはいまだにいいがたい。
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