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機能性ディスペプシア [健康]

 聞いたこともない病名であろう。今朝の朝日新聞に記事が出ていて注目したのだが、興味のない人の目にとまるはずもない。20才をすぎた頃から私は何度これに悩まされたことだろう。そして今でもこれに苦しんでいる人は案外多いのではないか。専門医の間で知られだしたのもまだここ最近のことらしい。一般の開業医では無理である。

 細菌性でもない。ガンや潰瘍があるわけでもない。あらゆる検査をしても機質的にどこも悪くない。となると西洋医学ではほどこす手がない。食欲がまったくなくなり、食事の時間が拷問のようになる。それでもなにも食べないわけにはいかないから無理に食べると、もどすか、下痢になるかで、原因が分からず、これが何ヶ月、ひどいときは何年も続くのである。

 私の場合はまさにこれであったわけで、今回もきっかけは食あたりかなにか細菌性、もしくはウイルス性のものだっただろうが、問題はそのあと。これまではたまたま抗不安剤が効いたので私は自分で勝手にうつ病、と自己診断をしていたし、精神科医もうつ病と診断していた。しかし鬱状態になったのはこのような胃腸障害状態が長期間続いた結果、気力が失せ、2次的にうつ状態が発生したのだから、うつ現象はいわば「うつもどき」だったにすぎない。

 これは新聞記事によれば専門医の間でも病名すらほとんど知られていなくて、「機能性ディスペシア」難民は意外と多いという。仮に運良く(?)診断がついたとしても決定的な治療法があるわけではない。ただし私の場合は偶然にも無手勝流の「デパス」「メディピース」といった抗不安剤の大量投与が著効を示したのは前の項目で書いた通り。今の私はまったくの元気そのもので1週間前がウソのようである。私はうつの気があるわけでもなく、ましてや「うつ病」などではないことがこれではっきりした。

 こういうことも時にあるから、私は食事ができなくなるときに備えて、普通より多めの体重を維持するよう努力するのだ、と妻にいうと「銀行の貯金じゃあるまいし、多ければいいというものじゃないわよ」と一笑に付されるが、身近な人にもこの苦痛はわからないであろう。(札幌)


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