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日本ショパン協会の実態 [日本ショパン協会]

 考えてみると不思議な団体なのだ。「会」というからには当然会員がいる、と一般には考えるだろうが、会則には「会員」という項目はない。「理事」とか「会長」とかのとりきめがあるだけなのだ。「ショパン友の会」というものがあるにはあるが、これは日本ショパン協会のいわば「外郭団体」で会員数も少なく、ショパン協会運営に関して何らかの権限があるわけでもない。

 通常、このたぐいの会では「会員」がその中心をなし、会員の中から理事や役員や会長が選挙などで選ばれて実質的に会を運営する。そもそもこういう特異な会になったのにはそれなりの歴史的背景がある。発端は1960年、音楽評論家の野村光一先生を中心に当時日本のおもだったショパンの好きな音楽家が集まって、ショパンをダシにして酒を飲み、ケンケンがくがくの議論をたたかわす、いわば単なる「高級愛好家クラブ」(?)のような私的な集まりで、その体質を良くも悪くもこれまでずっとひきずってきた。

 それでもこの会ももう発足後50年を超え、その間ワルシャワのショパン協会はじめ、世界各地のショパン協会とも交流をもち、対外的にいろいろなショパンの音楽の普及のための研究、演奏活動をしてきた。そしてその功績が認められてポーランド政府からショパン生誕200年記念の年に文化勲章が贈られた。ということは、外部からは単なる愛好家の集まりとは見なされず、それなりの文化活動をしてきたれっきとした団体、と見られているのである。それにもかかわらず、協会内部の人間の意識の方がそれに追いついていないのが実態、といっていいかも知れない。極端なのになると国から金が出ている立派な国家機関、と見る人すら外国人の中にはいて、説明に困ることがある。

 それやこれやで、このあたりで、「一般会員」としてのとりきめをきちんとして、一般の人にも会員になってもらい、一般会員の中から役員を選挙で選ぶ、という「普通の団体」に脱皮する必要があると思う。もはや単なる「ショパン愛好家の仲良しクラブ」にとどまることはできない、という認識に達した。
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