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雨宮(2) [鉄道あれこれ]

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 「雨宮21」は国産機では、日本国内で運転可能な状態にある9600型についで古い蒸気機関車のひとつである。国産最古の機関車は7150型と呼ばれる「大勝号」で明治28年(1895)年製。現在は小樽の総合博物館に静態保存されているがこれについてはあとで触れる。
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 軌間は762ミリ、煙突には森林火災防止用の大きなフードが印象的である。動輪はC型であるが直径616ミリ、と小さく、いかにも貨物運搬用という感じでキャブは密閉式。連結器は子供の頃軽便鉄道でよく見かけた鉄製のわっかをピンで留めるだけのごく簡単なもの。当然客貨車に通しブレーキはない。勾配もほとんどなく、スピードは早足で歩く程度だから必要ないのであろう。軌道の保線状態は非常に良く、バラストは厚く敷き詰められ、木製枕木に犬釘でレールを固定している。特急オホーツクの運転される「石北本線」でさえ、バラスト、木製枕木、犬釘固定、という点ではレールの太さをのぞけば同じなのだ。 レール延長は約2キロだが、草原あり、鉄橋あり、森林あり、実際に車が通る道路との踏切あり、と結構変化に富んでいる。鉄橋は真ん中にコンクリート製の橋脚があり、プレートガーターが2本。これもどこからか中古のものを運び入れたのであろう、その上にいかにもとってつけたようなトラスが組み上げてあるのがほほえましい。ここ数日の豪雨で小川は川幅いっぱいに増水しているが、通常はのどかなせせらぎにちがいない。

 軽便鉄道は日中30分間隔で運転し、乗客がいなければ運転休止となる。しかし私のいた約2時間半ばかりの間、三々五々、少しづつではあるが乗客の途絶えることはなく、したがって運転休止はなかったので、シャッターチャンスには恵まれた。丸瀬布に運転可能な最古の国産SLがあることは一般にあまり知られていない。東京や大阪から来るには非常に不便な場所にあるとはいえ、これだけのために遠路わざわざ来てみる価値はあることを強調しておきたい。
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(雨宮用のしゃれた機関庫が目をひく)
 ちなみに丸瀬布は旭川、女満別、紋別各空港からいずれもほぼ等距離にあるので空港からレンタカーで来るのが一番いい。

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