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ハーモニカの達人 [音楽全般]

 ハーモニカといえば年輩の人には子供のおもちゃの楽器、というイメージであろう。たしかに昔のおもちゃはドレミファソラシドしか吹けない単純なダイアトニックな楽器なのだが、クロマティック・ハーモニカはコンサート楽器として、全く別物、といっていい。

 和谷泰扶(わたにやすお)さんは、数少ないハーモニカ奏者としての名人の域に達した人で15年間ドイツで活躍した人である。明日のコンサートのためのリハーサルのあと、いろいろ面白い話を伺った。この楽器の音域は下が「C」で、基本的にハ長調のフルートと同じだが、キーの操作で半音あげることができる。それによって、半音階も吹けるわけだが、ピアノなら何でもない半音階を演奏するのは大変複雑な演奏技術が必要になる。

 この複雑な楽器も名人の域に達すると素晴らしい音色と独特の表現が楽しめるのだが、これは容易ではないから、ピアノのように誰でもそこそこできるようになる、というものではないようである。さらに困ったことに、現在ではハーモニカ奏者のほとんどはポップス関係で、クラシック一筋、という演奏家は真砂の中でダイアモンドを見つけるに等しい。彼はこれを日本に広める、という責任を負っているのでそういう意味では大変新しい楽器、といえる。(ちなみにハーモニカは1800年代初頭にドイツで生まれた)

 明日のプログラムの中に私はモーツアルトのヴァイオリン・ソナタからハーモニカに適当な一曲を選んで演奏してみるよう提案したのである。もちろん、ハーモニカ・ソロのオリジナル曲も少なからずあるから、それもプログラムにはいる。和谷さんのきわめつきは、ショパンの「小犬のワルツ」であろう。この曲をピアニストも真っ青になるような早いテンポで演奏するのだ。私はただあっけにとられた。これを演奏するための伴奏楽譜は存在しないので、普通、ピアニストは左手だけを弾くことになるそうである。これでは私はとても満足出来ないので、ハーモニカ専用の伴奏譜を適当な遊びをところどころ入れながら作成した。さて、明日はどんなコンサートになるか・・・。
(四日市とまりむら・定例コンサート)
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