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ある電車の中で [音楽全般]

 この何年か、電車の中で楽譜を広げて読んでいる姿をよく見かけるようになった。見るからにママさんコーラスとおぼしき人、ブラバン練習から帰りの高校生とおぼしき男の子、などなど・・・。そうでなくても買い物袋に印刷された楽譜、洋服の模様に取り入れられた楽譜類などはどういうわけか大体がクラシックのものが多い。

 そういうものを目にすると、私はどうしても職業意識が働いてしまう。特にその楽譜が知らない曲であるとき、よけい興味をそそられる。何の曲だろうか、この人は何の楽器をやっているのだろうか、どんなグループに属してこの曲を奏でているのだろうか、などなど・・・。

 今日、電車の中でたまたま隣に腰掛けた女子高生とおぼしき女の子がパート譜を広げていたが、そのうち楽譜を持ったまま居眠りをしてしまった。それを良いことにそれとなく楽譜をそっと横目でのぞき込んでみると、譜面づらからしてどうやらウィーン古典派のものらしい。パートはフルートの2番。ははあ、この子はフルートの2番なのか。 D-durで作曲者はE.T.A.Hoffman。なるほど。曲名までは見えない。どうやら arr,by 誰それ、とあるところを見ると、多分管弦楽曲の吹奏楽用編曲ものであろう。オリジナルなら編曲者の名前が書かれるはずはないからである。

 そこから私の推理が始まる。この2番フルートの上に、1番フルートはどんなメロディがのっかっているのだろうか。更にこの下にどんなハーモニーが付き、どんなオーケストレーションになっているのだろうか、トータルどういう曲なのだろうかと想像をたくましくして楽しんでいるうち、私は乗り換えの駅に着いてしまった。女の子は相変わらず居眠りしたまま。こんな行為はセクハラにはならないとは思いますがどうでしょうか。やっぱりセクハラなのでしょうか。

 あ、私は「東洋経済」の鉄道記事を読もうと思って雑誌を広げていたのだが一字も読まないで終わった。
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