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足尾銅山のトロッコ [鉄道一般]

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 足尾銅山は現在だれでも見学が出来るように設備が整えられている。私も現地を見るまで知らなかったが、全長500メートル程度の短区間ではあるが、トロッコ列車で坑内に入れる。3両編成の自走出来る蓄電池電動トロッコにラック区間のディーゼル機関車が谷側に付いて、押し上げる形を取っている。客が乗れるのは原則下りのみで、坑内見学のあとは、地上までかなりな階段を上らなくてはならない。足の不自由な人だけが例外的に上りの列車を使うことが出来る。

 短い区間になぜこれだけの手間ひまをかけるのかちょっと理解しにくい。たぶん、ディーゼル機関車牽引でそのまませまい坑道にはいると、騒音がひどくてお客が耐えられないからではないか。それにディーゼルエンジン排気の悪臭、空気の汚れなども伴うであろうから。途中駅で停車、機関車をきりはなして、3両のトロッコだけが自走して坑内に入る。マニアにとってはじつに面白いシステムだ。このリッゲンバッハ式のラックレールはスイスの中小山岳鉄道ではいたるところで見ることが出来るが、日本では私は存在すら知らなかった。

 写真でご覧のように2本の鉄枠の間にはしご状に桟が組まれていてそれに機関車のギアがかんで、勾配を上り下りする。機関車を切り離すポイントに係のおじさんがいて、機関車を切り離す作業以外はひまそうなので、いろいろ話しかけてみた。彼もこのシステムはアプト式、と思いこんでいるらしくて、逆に私が説明する羽目になった。日本では非常にめずらしいこのリッゲンバッハ式のラックは、あまり知られていないようだから、これは「鉄」向けにもっと宣伝していいように思う。「わ鐵」のポスター、その他宣伝パンフレットにはほとんどふれられていないのはじつに惜しい。
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コメント 5

Akira

リンゲンバッハ式のラックレールは、スイスのリギ鉄道で見ました、他にもZentralbahnなどにも使われているようで発祥の国だけありますね。日本では能勢電鉄のシグナス森林鉄道も単区間ながらリンゲンバッハ式のようです。
足尾銅山は行ってみたくなりました。
by Akira (2012-09-03 17:54) 

klaviermusik-koba

能勢電鉄のリッゲンバッハも現在も存在するかどうか確認していませんが、いずれにしても珍しいです。akiraさんはお近くですから一度いらして見ては。。。
by klaviermusik-koba (2012-09-03 20:02) 

seidoh

こんばんは。ご無沙汰しております。

能勢妙見山上のシグナス森林鉄道は、今も元気に活躍しています。実は拙宅からほど近いのですが、昨春、開業10年目にして初めて試乗しました。そのとき撮影した写真を改めて確かめたら、正真正銘リッゲンバッハ式ですね。もっとも、ラック区間は極めて短いものです。首都圏からでは決して行き易い場所ではありませんが、機会がありましたら是非一度お訪ねください。
by seidoh (2012-09-03 23:00) 

klaviermusik-koba

seidohさん

おはようございます。情報ありがとうございました。これで日本でもリッゲンバッハが2カ所確認されたわけです。私もときおり関西には行きますので、いちど折を見て能勢妙味山のシグナス森林鉄道、訪ねてみたいと思います。ラックレールの方式は4種類ありますが、ラックは日本ではすべてアプト式、と呼ばれていますから、それだけアプト式以外は影が薄い、ということでもあるのでしょう。
by klaviermusik-koba (2012-09-04 08:25) 

klaviermusik-koba

追記:ネットで確認したところ、能勢妙味山上のシグナス鉄道は381ミリ、とかですが、足尾銅山のはれっきとした、狭軌鉄道です。銅山現場で使われていた時代のものはやはり381ミリくらいのものですが、この坑内鉄道は見学用のために、あらたにゲージを広げて新設したのだそうです。
by klaviermusik-koba (2012-09-04 08:34) 

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