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上司と部下の関係 [一般向け]

上司が必ずしも部下より年齢が上とは決まっていない、というのは今の世の中、珍しいことでも何でもない。が、世の中長く生きていると社会的にいう上下関係は絶えず変化する。いま、札幌大谷大学で東京から特任教授をお願いしているほぼ同年代の打楽器のO先生は特任教授、という身分だから、その意味では芸術学部長である私が上司、という関係にあるが、つい何年か前までは彼は洗足学園大学の学部長で、私は客員教授だったから立場が逆になった訳である。ただ、この身分の差はその職場限りのもので、いったん門を出れば普通の仲間同士となる。

歴史を遡れば、OさんがN響の団員であった頃は、一緒にバルトークの難曲「二台ピアノと打楽器のためのソナタ」などを苦労をして何度も一緒に演奏した間柄でもあるから、その意味では同僚、仲間でもある。立場がどう変わろうと、昔からの仲間意識は全然変わっていないから、どう立場が変わっても言葉遣いも何も変わらず、相変わらず音楽仲間意識でいられるわけだ。

ただ、このように社会的上下関係が絶えず変化していると、TPOに応じて自分が役者のごとく、ある時は上司として、ある時は部下として、またある時は友人としてロールを演じ分けるのは何でもなくなるが、考えれば変なものでもある。50歳くらいまで、私は上下関係を、年齢、社会的地位に関係なく、人間としてどうか、という基準で勝手に決め、その基準で接してきた。しかしいつの頃からか、このような社会的に見た上下関係、というものも無視できなくなってきた。

しかし一旦一緒に音楽をやる、となったらやはりいかなる上下関係も消えてしまう。先生と生徒、という上下関係でさえ消えるのだ。一心同体でより良い音楽を目指す、これあるのみである。
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