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「クリミヤ」古くて新しい問題 [国際問題]

クリミヤ戦争、といえば世界史を習った人なら誰でも知っている。ロシアも含め、ヨーロッパ諸国が入り乱れて長らく争った歴史がある。ロシアはその時は力不足から、クリミア半島をものにできなかった。黒海に面した不凍港としてヨーロッパ諸国が喉から手が出るほど欲しかった地域である。

地勢的にはロシアが有利な場所にありながら勝利できなかったのは、鉄道の整備が遅れていたため、必要物資が充分に運搬できなかったから、と言われている。以来、ロシアは鉄道整備に全力をあげたが、これに大きく寄与したのが、意外なことにチャイコフスキーのパトロンであったフォン・メック夫人の夫であったカール・フォン・メックでモスクワーリャザン鉄道会社を立ち上げ、大成功を収め、その莫大な収益と鉄道の権益が未亡人となったナジエジダ夫人に遺された、ということが、小宮正安著「音楽史、影の仕掛け人」に記されている。

この戦争がなかったならばナジエジダ・フォン・メック夫人はチャイコフスキーのパトロンとはなり得ず、もしかしたらチャイコフスキーの数々の名曲は生まれなかったかもしれない。歴史とは異なものである。それ以来、クリミヤはいつも係争の土地であり続けたが、ソ連時代にロシア人を多く移住させ、セバストポリには巨大な軍事基地を作り、と既成事実を作ってしまった、ということであろう。そうであっても、ソ連崩壊以来もクリミヤはれっきとしたウクライナの領土であった。ソ連時代にウクライナの領土としてソ連が認めてきたのも、将来まさかソヴィエト連邦が崩壊するなどということはあり得ない、と思ったからにちがいない。国際法上も明白にウクライナの領土であるものをぶん取るのだから、たしかにけしからん話ではあるのだが、長い歴史を考えれば欧米がいくら非難してもロシアが簡単にあきらめるとは思えない。
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