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日本の観光を考える [旅行]


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長らく私は日本の観光地、温泉旅館といったものにはある種の嫌悪感があって、できればあまり近づきたくないところ、と思っていた。それはまず、混雑していること、うるさい歌謡曲の類などの騒音で満たされていること、訪れた人が好感を持てるような自然さを保っていないこと、等々の理由からである。せっかくの美しい景色は台無しとなり、もう二度とくるか、とがっかりした気分にさせられるからであった。

そんな理由でずっとご無沙汰だった観光地も、最近少し自由な時間が増えたこともあって東京近辺の何箇所かを訪れてみたら、だいぶん日本の観光業の意識も変わった、と思われることが多く、ここならまたきてもいい、という雰囲気のところが増えたのは喜ばしい。東京近場の高尾山も、先日訪れた宮ヶ瀬ダム湖も始めてのところではあるが、うるさい音楽もけばけばしい飾りもなく、日本の街の醜さの最大の要素である蜘蛛の巣のように空中に張り巡らされた電線もない。

なるべく自然体でありながら必要なところはきちんと訪れた客をサポートする、という観光地としてあるべき姿になりつつある、という風に変わってきている。もちろん、旧態依然としたところもなくはないが、この流れでいくと、もうしばらくすれば胸を張って世界から観光客を呼べる条件はだいぶん整ってくるのではないか。多分、日本人自身が外国旅行をすることが当たり前になって、いろんな外国の観光地に接した結果、日本の観光業もこれではダメだ、と気づき始めたのが最大の原因であろう。これがもっと徹底してくれば、無理にスイスまで観光旅行に行くこともないほど、日本は本来美しい自然の景観に恵まれている。

ヨーロッパの地方都市で、予約もせず、飛び込みで宿泊した多くのホテルが、建物全体がしーんと静まり返っていて物音一つしない静寂さにホッとさせられたことは多い。食事や、町の案内などこちらから言わない限り何もしてくれないが、それが何より煩わしさから解放してくれる。「日本のおもてなし」とやらが外国人には評判がいいそうだが、私にはまっぴらである。
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Akira

kobaさん、こんばんは。

確かに以前と比べれば日本の観光地も随分変わって来たように思います。先日伊香保の電車を見に伊香保温泉に行きましたが、初めてそこに出掛けた時とは随分変わって自然体になって来たように思いました。
一方で、日本が外国人観光客に開かれてきたとは思えないところもあって、残念ながらそれが鉄道だと思います。JRのサイトでも外国語対応しているものの、全JRとしてはなく、各社バラバラで、かつ新幹線も在来線も全て対応しているJRもあれば、新幹線と一部の在来線しか外国語に対応していないところもあります。外国から初めて来たような観光客に分社化したJRのどこに境界線があるかすら分からないでしょう。(私も正確にはわかりません)
折角観光地が頑張って観光客を呼び込もうと努力しても肝心の移動手段がこれでは、中々観光客も個人では来れないと思います。そんなことで、外国人の目線に立った誘致が出来ていないので、日本の隅々に迄バリアなしで旅行出来るようになるにはまだ時間が掛かるでしょうね。
by Akira (2014-05-31 20:48) 

klaviermusik-koba

akiraさん おはようございます。

日本の鉄道は、外国人にとって確かにまだ使いにくいのが現状だと思います。とくにJRはまだ昔の国鉄時代の体質が残っているところがありますから。ただありがたいのはPASMOのようなものが普及してきたので東京に不慣れな外人にはこれを渡して、都内の移動は近距離ならどの鉄道でも乗れるよ、と言えるのは進歩だと思います。私自身も先日これで大阪の地下鉄や札幌のJRにも通用するのを経験して、ここまで進化したか、と感心しました。何より、新幹線も寝台券も飛行機も全部カードで支払いできるのは、大金を持ち歩く必要もなく、日本の鉄道のサービスにはまだ不満は残るものの、だいぶんマシになってきた、と思っています。ドイツの近郊電車で行き先までの料金がよくわからず、適当な切符で乗ったら乗り過ごしで検札にあい、罰金を取られそうになったことがあります。
by klaviermusik-koba (2014-06-01 08:59) 

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