SSブログ

電車ならなんでも乗る(2) [旅行]

高知に仕事に来たついでに仕事の翌日、帰りの飛行機を夕刻ごろに設定して、かねて乗ってみたいと思っていた、土佐電鉄、土佐くろしお鉄道に乗った。「ごめん・なはり線」という愛称がつけられている土讃線、御免駅から分岐して海岸沿いに東へ奈半利までの約53キロの3セク鉄道。その先の室戸岬まではバス連絡がある。ある意味、JR北海道の日高本線と似たようなシチュエーションといえる。10年くらいまでは土佐電鉄も市街電車が途中駅の安芸まで来ていたが、これは日本一長距離の市街電車であった。いまも土佐電鉄は電車部門自体赤字になっていない、というからすごい。さすがに御免以遠は持ちきれなくなったようである。以上の情報は地元の高知新聞の社員やタクシーの運転手からのものだから多分正しい。

高知10時21分発、観光用に設定された9640-25(くろしおに,GO?)というナンバーのディーゼル車は確かにユニークである。通常の客車とトロッコ列車をひと客車に組み込んだようなもので、前面は一枚のカーブドグラスで展望がすばらしく、一番前の席にありつければ最高。海側はオープンデッキの自由通路、ガラスの内壁があって車両中央に二人がけの転換式クロスシート、通路をはさんで山側は寝台車の廊下にあるような折りたたみ式の腰掛け、という一風変わったもの。(JR土讃線走行中はデッキ立ち入り禁止、というのはなぜだか理由がわからない)スピードはごくゆっくりで40キロくらいであろうか。軌条はコンリート枕木に載ったしっかりしたもので、帰りの快速列車はそれにふさわしいスピードで走っているところをみると太平洋の景色を満喫してもらうためのスロー運転と思われる。不思議なことに、これだけスピードや停車駅(観光用車両は各停)がちがってもダイヤ上、到達時間はいくらも違わない。その辺のところ、スイスの氷河急行と一般の普通列車とのケースと酷似している。

四国を切れ切れの鉄道で一周してみようと思っているから 、今回はその下見の意味もある。大部分がコンクリート橋脚の高架で作られているから、少々の津波では問題なかろうが、東関東大震災級の大津波だと果たしてこれで持つだろうか、という心配は残る。終点の奈半利駅は行き止まり、単線で駅周辺なんにもないところ。近辺にはそば屋もなにもないから、駅売店で買った巻き寿司の昼食を誰も人影のない駅屋上ベランダでとりながら、いま南海トラフの大震災が起きたら、果たしてどこへ逃げるか、と海がすぐに迫る港を眺めながらちょっと心配になった。一応この鉄筋三階建ての奈半利駅は避難所の指定になってはいるが。。。

御免駅近辺で「ごめんOO内科」「ごめんOO小学校」などの看板をやたら見るにつけ、なんか目の行くところなぜことごとく謝られなければならないのか、と奇妙な気分になる。沿線はほとんど高架だから列車からの太平洋の眺めはまことにすばらしい。ここは車で行ってはダメである。
image-20141104130050.png
高知駅
image-20141104130142.png
奈半利駅
image-20141104130157.png

nice!(4)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 4

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。