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日本ショパンコンクール入賞者 [日本ショパン協会]

今年で第三回となる日本ショパンコンクールの本選会が去る3月20日洗足学園音楽大学のご協力のもと、洗足学園前田ホールで6名のファイナリストの競演の結果次の通り入賞、入選者が決定した。だいぶん遅ればせながらここにご報告したい。

入賞
第一位 実川 風(東京芸術大学大学院)
第二位 阿見真衣子(東京芸術大学大学院)
第三位 加藤大樹(昭和音楽大学大学院)

入選(出演順)
中村優以(昭和音楽大学)
原嶋唯(桐朋学園大学)
上原琢矢(長崎県立鳴滝高校)

今年の審査をしての感想であるが、レベルはこれまでに比べ、驚くほど個性豊かなショパンを演奏するピアニストが多く、特に入賞者3名については優劣をつけることが難しい本選会となった。それぞれに捉え方の異なる解釈で、少なくとも本選出場者の6人のピアニストたちは技術的にはどの曲についても全員まったく問題なく弾けている。その上でショパンの音楽としてどうか、というレベルにあった。少なくとも入賞者についてみれば、ワルシャワの国際コンクールにエントリーしても十分に戦えるレベルにあることは確かなのだが、なぜか全員が(願書を出した範囲で)DVD審査のレベルで落とされているのは腑に落ちない。

一方で、このコンクールで予選落ちした人がワルシャワで残っている、という「ねじれ現象」も起きている。が、これについては審査員それぞれの見方があるから、どちらの審査が正しかったかは、今後何年間の間に自然に証明されるであろう。このコンクールは一応ワルシャワのコンクールとは切り離して開催しているため、入賞、入選者の中の何人かはほぼ同じ課題曲であるにもかかわらず、そもそもワルシャワに願書すら出していない、という人も何人かいることもまた確かなのである。客観的に見ると、これからショパンを弾いて世に出ようという若手ピアニストにとっていきなりワルシャワに参加をするばかりに意味があるわけではなく、地元である日本でまずある結果を出して自分の実力を客観的に見極め、堅実に足元から固める、という考え方も必要なのではないか。私自身も23才のときに、しかるべき段階をふんでワルシャワに臨んだのであって、自分の実力も見極めず、ただやみくもにワルシャワに行ったわけではない。たんなる漠然とした憧れだけでは物事は決して成就しないことは若いピアニストには申し上げておきたい。

第四回を開催する意味と価値があるかどうか、フタを開けるまで多少の疑念もあったけれど、今回のレベルの高さを見ると、その懸念も私としてはふっきれ、参加者の熱意に背中を押された気がする。
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