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阪急電車 [旅行]

宝塚に住む友人を訪ねて何十年かぶりに阪急電車に乗った。子供の頃夢中になっていた阪急電車だが、未だにそのイメージは全く変わっていない。創業以来、こんなにもかたくなに一つの色を頑固なまでにこだわり続けている鉄道会社がほかにあろうか。上品な濃いマルーンで統一された電車が梅田駅に並ぶ様は壮観であると同時に、これほど鉄道として整然とした美しい光景は私の知る限り,国の内外を問わず見た事がない。

毎日阪急電車で通勤している人にはごく当たり前の光景かもしれないが,東京から来ると一種感動的ですらある。電車の形式はかわれど、かわらないのは木目の内装と、グリーンのシート、下降式の窓と日よけの窓。やってみると,昔と同じようにガチャンと下まで一気に落ちるし,うっかりすると指をつめてしまいそうな構造も同じ。

まだ他にもかわらないものがある。車内広告。中央の吊り広告。さすがに二枚づつにはなったが、東京なれっこになっている車内両サイドのごちゃごちゃした広告がいっさいない。これだけで車内がどれだけすっきりさわやかに見えることか。全体的に広告が少ない。商業的にいうならもっと広告を貼れるだけは張った方が良いに違いないがそれをあえてやらないのだ。蛍光灯も東京の電車のように電灯丸裸ではなく、すべてアクリルのケースに入っている。それやこれやの要素があいまって乗っていて車内がじつに心地よいのだ。大阪の人はあまり何も言わないが,大阪で自慢できる一つの鉄道のありようだと思う。文化遺産な価値といっては言い過ぎだろうか。
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seidoh

Koba様

こんばんは。すっかりご無沙汰しております。
半世紀近い阪急沿線住民としては、お褒めの言葉、嬉しい限りです。
実は、車内広告など昔に比べれば増えましたし、例の日除け(ステンレスのブラインド)も最近の車両では布製のカーテンに変わって、指挟みの心配も少なくなりましたが。
阪急の良さは、車両のクオリティの高さもさることながら、よく整備された駅施設や顧客に対する充実した情報提供など、トータルの鉄道システムとして常に先進的であることではないかと思っています。
by seidoh (2015-05-15 22:19) 

klaviermusik-koba

seidohさま

ご無沙汰しました。おっしゃる通りです。阪急電車の沿線にお住まいの方、心底うらやましいと思います。車内広告も確かに昔に比べれば増えましたが、全体の美観を損ねないぎりぎりのところでとどめているところがすごいです。

日よけは6000型のような比較的旧型の車両に残るだけかもしれません。9000型のような窓では構造上無理ですからね。阪急電車はたくさんの競争会社があるから,否応無しに常に競争にさらされ、サービスも独自性を出さざるを得ない,という背景もあるのでしょう。

私も仕事の都合さえなければ、阪急沿線に住みたい,と強く思っているのです。

by klaviermusik-koba (2015-05-16 18:46) 

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