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G7開催地エルマウ [一般向け]

次回のG7が日本の賢島で開かれる、ということは大きなニュースになっているが、今日、明日開かれるドイツでのG7はそれほどの扱いにはなっていない。そもそもG7そのものが昔ほどの重みを持たなくなって、定例セレモニー化して来た、ということはあるかもしれない。そんなこともあって最近はどこで何が話し合われたか、私もほとんど覚えていない。

今年のG7はドイツ、それもエルマウ城、ということを知った時に、おや、と思ったものだ。まさかここがG7の会場になるほど、エルマウが私は特別な場所と考えていなかったからでもある。ドイツやフランスに多くある古いお城をホテルとして経営しているところは多く、日本でもお城に泊まるツァー、というのも人気を集めている。エルマウでなくとも、ヨーロッパのお城というものは大体が人里はなれたところにあるから、警備には都合がいいのであろう。

エルマウ城ではよくコンサートが開かれ、私も何度となくコンサート出演も依頼された。以前拙ブログでも触れたと思うが、学生時代、師事していた教授からエルマウでコンサートをするように、といわれたのがきっかけで、何度かここでコンサートをやった記憶がある。実に不便なところだが背後にドイツアルプスの麓にある風光明媚な場所で、車でもいけるが、教授からは列車で行くように、その旅費は学校で支給するから、というので鉄道旅行ができるのにつられて行ったようである。コンサートは一晩かふた晩だが、ギャラは出ないが、その代わりいつまででも好きなだけお城に滞在してよろしい、その間の食事も洗濯も生活のすべての面倒は見る、という条件だったと思う。

当時はEilzugしかなかった、ボロい列車でミュンヘンから南下すること約一時間あまり、ミッテンヴァルトよりもさらにオーストリアとの国境に近く、クライス、という片田舎の駅で下車。駅員にその旨告げるとお城に連絡がいって車の迎えがくる、というシステム。駅には公衆電話もなく、もちろん携帯などない時代。エルマウ城は実際すばらしい場所ではあるが、いくら素晴らしくても一週間もいれば飽きてくるものである。お城のホールにはその頃珍しかったチェンバロもあって、自由に弾かせてくれるので、夢中でやっていたら、それを見ていた城主が「あなた、なかなかチェンバロも弾けるみたいだからこれも一晩やってよ」ということになり、生まれて始めて弾いたチェンバロでコンサートもやった。厚かましいというか、恥知らずというか、怖いもの知らずというか。若くて怖いもの知らずだからこそできる、ということだってある。ああ、懐かしいエルマウ!!
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K.

テレビで観て、その美しい自然にため息をつき、
行きたいなぁと強く思う私です。

先生のお話しは、本当にプライスレスな、得難く忘れがたい体験でいらして、猛烈うらやまじぃのであります。
by K. (2015-06-09 10:27) 

K.

テレビで観て、その美しい自然にため息をつき、
行きたいなぁと強く思う私です。

先生のお話しは、本当にプライスレスな、得難く忘れがたい体験でいらして、猛烈うらやまじぃのであります。

チェンバロもね。
by K. (2015-06-09 10:28) 

klaviermusik-koba

Kさん
エルマウばかりでなく、南ドイツは、湖あり、山あり本当に美しい自然が多く、ほとんど毎日曜、Ausflugnに出かけていました。エルマウで弾いた曲目、いくつかは覚えています。スクリャービンの24の前奏曲、三善晃のソナタ、中田喜直の組曲など、邦人の作品をよくリクエストされました。チェンバロは、、、同宿していた友人のヴァイオリニストとヘンデルのソナタなどバロック音楽を。当時はモダンチェンバロだったので4フィート、8フィートのほかに16フィート弦もあって豪快な音がしましたよ。今のチェンバリストはまゆをひそめるでしょうが。
by klaviermusik-koba (2015-06-09 13:43) 

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