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徴兵制度について [プライベート]

これまで私が現在の自衛隊について考え、戦争になることは今のところまずなさそう、という状態を前提に自衛隊の音楽隊になるのは悪くない仕事だよという趣旨のブログを書いたことがある。しかしいま私は前言を全面的に撤回しなければならない昨今の情勢になってきた。子弟にそう語りかけるのがこれまで教育してきた私の義務である、とさえ考えるようになった。

安倍さんは絶対徴兵制になることはあり得ない、と断言する。これがどれほど現実を反映していないか、危惧せざるを得ないことが起きている。確かにいまは自衛隊員になるのは強制されていない。しかし、このところ二士、一士、という下級の自衛隊員は常に定員割れの状態にある(70%程度)という新聞記事を見て考えを変えたのである。

私がかつて大いに恩恵を受けた学生時代の貸与制の奨学金制度。確かにかなりの額を貸与してもらったが、条件として、将来10年間教員になればこの借りはすべてチャラにしてもらえた。当時は教員が足りなかったからこういう優遇制度があったのだろう。しかし、先生のなり手は十分ある現在、これを自衛隊員になればチャラにする、というふうに法律を変えるのは難しいことではなかろう。つまり貧乏人の子弟は自衛隊員になれ、というようなものだ。いやもう私はあえて軍隊、と言おう。第二次大戦中の徴兵制度は確かにひどいが、この場合は貧富に関係なく、赤紙一つで戦争に駆り出された。これは制度としてひどいが少なくとも平等である。

だが、安部さんの言とは裏腹に、実際にドイツのように憲法を集団的自衛権を認めるように憲法を改定した国でアフガンなどで戦死者が何十人も出て、問題が深刻になっている。日本の政権与党はこの事実を知らないはずはあるまい。もし日本でもそうなれば、本人が自主的に、もしくは親が強制的に除隊させるだろうから隊員の不足はますます深刻になる。世界の情勢としてアメリカもドイツもフランスも若い時期の何年間か若者に軍隊に入るのを義務としてきたが、次第に志願制に変わってきているようである。義務にはしないが実質お金に困っている人が志願せざるを得ない貧富の差による不平等が生じている。

話は少し飛躍するが、少子化がいま大きな問題になっている。これまで述べた現状にてらして考えると、お金のないカップルが結婚して、自分たちが裕福でない中、必死に子供を教育しても、将来、奨学金と引き換えに我が子が軍隊入隊を義務付けられるかもしれない、となったら、ますます、子供を産んで育てよう、という意欲は減退する、どころか子供を作るのはもうやめよう、となりはすまいか。少なくとも私が現在その立場なら子供の将来を考えてもう結婚はしないと思う。

マーラーの歌曲集「子供の不思議な角笛」の中の一曲、「少年鼓笛隊兵」はおとぎ話、と思ってこれまで楽しんできたがいまや現実味を帯びてきた。
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